1995 Fiscal Year Annual Research Report
運動視における運動方向の弁別と判断に関与する脳内機構の研究
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07045050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三上 章允 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (40027503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ニューサム ウィリアム. スタンフォード大学, 医学部, 教授
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Keywords | サル / 運動視 / ニューロン活動 / PET / 視覚弁別 / ランダム・ドット / 判断 |
Research Abstract |
物が動くとき、その動きの方向やスピードを判断したり、回転、縮小、拡大など複雑な動きを見分ける視覚機能(運動視)は、重要な視覚能力のひとつである。サルの脳では、MT野(第5次視覚野)が運動視に重要な役割を演じていることが知られている。しかし、運動視に関連する領域はMT野以外にも複数個存在し、それらの役割は十分わかっていない。本研究では、サルの運動視の様式を心理物理学、脳の局所破壊による脱落症状の行動学的解析、脳の局所刺激による行動変化の解析、ニューロン活動の解析、脳の活動部位の機能マッピングなどの手法を用いて解明し、脳のどの部位が運動視のどのレベルの処理に関連するか、さらに脳のどの部位が動きの方向の判断を行うかを明らかにすることを目指している。 本年度は、まず知覚レベルで運動視がどのように扱われているかを調べる目的で、注視課題(1点を数秒間見続け視線を動かさない課題)の逆行中に、動くランダム・ドットおよび静止したランダム・ドットを呈示し、サルの脳のどこが活動するかをPETを用いて計測した。ランダム・ドットの表示のノウハウはスタンフォード大学のニューサムが提供し、PET計測は日本側で、ニューサムの参加を得て行った。MT野の他、上側頭溝前壁、頭頂連合群、前頭連合野、小脳などに活動部位を同定した。本年度の後半は、平成8年度に向けての準備を行った。その1つは弁別条件(運動方向の判断を要求する学習課題)の導入で、この課題の訓練に熟練したニューサムの研究室のスグルが来日し、サルの訓練を行った。また、運動視のコントロールとして色視覚のテストを行うためのパラダイムを開発するため、ニューサムの研究室のデ-アンジェルスが来日し、プログラムの開発に当った。次年度は弁別課題遂行時の脳内活動部のマッピングとニューロン活動の解析を行う予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 三上章允: "Visual neurons with higher Selectivity can retain memory in the monkey temporal cortex" Neuroscience Letters. 192. 157-160 (1995)
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[Publications] 山田宏: "Effect of transcranial magnetic Stimulation on cerebral function in a monkey model" EEG clin Neuronogy. 97. 140-144 (1995)
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[Publications] シャドレン・マイク: "Motion Percsption-Seaing and deciding" Proceedings of the Natinal Academy of Sciences of the U. S. A.93. 628-633 (1996)