1996 Fiscal Year Annual Research Report
運動視における運動方向の弁別と判断に関与する脳内機構の研究
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07045050
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三上 章允 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (40027503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ニューサム ウィリアム・ スタンフォード大学, 医学部, 教授
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Keywords | サル / 運動視 / ニューロン活動 / PET / 視覚弁別 / ランダム・ドット / 判断 |
Research Abstract |
本研究は、サルの脳のどの領域がどのレベルの運動視覚の処理に関与しているを、その情報処理様式とともに解明することを目指している。この目的のため、サルの運動視の様式を心理物理学的にテストし、運動視の知覚、認知、方向判断に関与する脳内部位をPET計測によってマッピングし、マッピングした脳領域からニューロン活動を記録解析している。初年度は、米国側、日本側で2回のミーティングを持ち研究方法などについて打合わせをおこなった。また、ニューサムの研究室のスタッフが来日し、日本側のプログラム開発とサルの訓練を支援した。今年度は、日本側では、訓練を終了したサルで、暗い画面の中央の赤い点を注視するとき、ランダムドットを受動的に見ているとき、ランダムドットの動きの方向を判断し目を動かして答える課題の3条件でPET計測した。その結果、運動視覚の情報処理に関与することの知られている上側頭溝後部のほか、頭頂葉後部、前頭葉眼窩部、尾状核などに活動を見いだした。PET計測実験の一部にはニューサムが来日して参加し、データ解析を行った。運動視覚のデータとの比較のため色の弁別課題遂行中のサルの脳内部位のマッピングも行い、色の弁別では、第4次視覚野、TEO野、TE野、海馬などに活動点があり、全体として運動視覚で背側の脳が、色視覚の場合は腹側の脳の活動することを示した。これらのデータの一部は、11月の北米神経科学会および3月の日本生理学会で発表した。米国側では、日本側の支援のもとに立体視条件で呈示して運動視覚の脳内機構を、PETで活動の見いだされた頭頂葉後部からニューロン活動を記録することによって解析した。渡米した三上、長谷川、山根、田仲はこの実験の一部に参加するとともに、研究成果について意見交換を行った。この研究成果の一部は11月の北米神経科学会で発表した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mikami,A.: "Memory of object identity." In:Brain Processes and Memory.(eds.by Ishawa et al.)Elsevier. 369-376 (1996)
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[Publications] Mikami,A.: "Posterior cortical areas activated during visually-guided GO/NO-GO task:a PET study." Neuroscience Abstract. 22. 401 (1996)
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[Publications] Tanaka,Y.: "The integration of visual form and motion information in the primate superior temporal sulcus." Neurosci.Res.,Suppl.20. 202 (1996)
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[Publications] Mikami,A.: "Temporal association cortex in object recognition." In:Function and structure of the association cortices.(eds.by Sakata,Fuster&Mikami). (in press). (1997)
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[Publications] Movshor,J.A.: "Visual response properties of striate cortical neurons projecting to area MT in macaque monkeys." J.Neurosci.16. 7733-7741 (1996)
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[Publications] Deangelis,G.C.: "Organization of disparity selectivity in macaque area MT." Neuroscience Abstract. 22. 717 (1996)