1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07045052
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
宮西 照夫 和歌山大学, 保健管理センター, 助教授 (60094679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
VILLATORO El サンカルロス大学, 民俗学研究所, 主任
SOMMERKAMP Y サンカルロス大学, 細菌学研究所, 研究員
TORRES Migue サンカルロス大学, 細菌学研究所, 所長
郭 哲次 和歌山県立医科大学, 神経精神科, 講師 (70185718)
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Keywords | グアテマラ共和国 / 近代化 / 幻覚キノコ / 児童 / 乱用 / 慢性中毒 / 神経学的所見 / 脳波 |
Research Abstract |
平成7年度文部省科学研究費補助金(国際学術研究-大学間協力研究)の交付を受け、和歌山大学とグアテマラ、サンカルロス大学の研究家5名からなる研究組織を組織し、「幻覚キノコの臨床及び脳波学的研究」の研究課題による共同研究を行った。 平成6年度の調査において、伝統文化の崩壊と共にさまざまな精神病理現象が顕在化していることが明かとなった。その一つに、幻覚キノコ乱用者の増加による社会問題化がある。今回、慢性幻覚キノコ中毒者の本格的な実態調査を行うと共に、幻覚剤が大脳にもたらす影響を生理学的側面から調査した。 I、平成7年9月1日から9月26日にかけて、グアテマラ市郊外のサンタ・エレナ村において調査を実施した。 1、9才から15才の子供56名がインタビューに応じ、75%に幻覚キノコの乱用歴が認められた。乱用動機として集団への帰属性の希求や現実逃避が考えられ、摂取量は年長者より教え継がれ、頻度は月に2、3回、そして症状は一過性の急性症状が主で、中毒性精神病像や身体依存を呈するものはなかった。 2、幻覚キノコ常用者6名(成人3名、小児3名)と非常用者2名の脳波及び神経学的検査を実施した。検査には英国オックスフォード社の脳波レコーダーZM-908Aを用い、国際10-20法のF3、F4、01、02から磁気テープに録音した。脳波記録は安静閉眼時、開閉眼、過呼吸、そして運動誘発を実施した。結果:常用者群全員が頭痛、嘔気を訴えたが、神経学的異常所見は認められなかった。また26才の男性1名に問題行為が認められた。視察的脳波所見上、全員に異常所見が認められなかった。しかし,hyper normalizationが推測され、現在さらに詳細な分析を試みている。 II、平成7年11月12日により、11月20日にかけて、共同研究者のイボンヌ・ソンメルカンポが来日し、調査結果の検討及び中間報告会を行った。
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Research Products
(1 results)