1995 Fiscal Year Annual Research Report
超高圧高温実験に基づいた下部マントルおよび境界層の構造と物性の研究
Project/Area Number |
07102003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八木 健彦 東京大学, 物性研究所, 助教授 (20126189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 忠 東京大学, 物性研究所・助手, 助手 (20252223)
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Keywords | 高圧 / X線その場観察 / ダイヤモンドアンビル / 焼結ダイヤモンド / ガ-ネット |
Research Abstract |
本年度は、既存の焼結ダイヤモンドアンビル用小型プレスを用いて筑波のシンクロトロン放射光実験施設で、一軸応力下でのオリビンや鉄の圧縮、加熱実験を行った。これらの実験から、本研究計画でめざしている実験技術に関して各種の問題点や今後の研究の進め方に関する指針が得られ、それらを元に新しい焼結ダイヤモンドアンビル装置の設計、製作を行った。 単結晶ダイヤモンドアンビルと組み合わせるレーザー加熱システムについては、ビームエキスパンダーなど各種の光学素子を入れて加熱試験を行い、新しい形状のダイヤモンドアンビルのテスト結果とあわせて、新装置の設計製作を行った。また、既存の単結晶ダイヤモンドアンビルとYAGレーザー加熱装置を用いて、ガ-ネットの超高圧高温クエンチ実験を行い、回収試料の構造や組成の解析を、新規に購入したマイクロディフラクトメータや既存の走査電子顕微鏡およびエネルギー分散型X線マイクロアナライザーを用いて行った。この結果、マイクロディフラクトメーターのこのような微小試料に対する有用性を明らかにすると共に、パイロープ組成のガ-ネットに関して、下部マントル条件下での安定相につき新しい知見が得られた。また、レーザー加熱における温度勾配や加熱時間等の相転移に対する影響が明らかにされた。 このように、本年はまだ5ケ年計画の初年度のためそのほとんどが、新しい装置の設計と製作に費やされた。しかし導入された新装置も順調に立ち上がり、計画はほぼ予定どおりに進行している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] W.Utsumi: "Thermal expansivity of MgSiO_3 perovskite under high pressure up to 20 Gpa" Geophys.Res.Lett.22. 1005-1008 (1995)
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[Publications] Y.Yusa: "A new unquenchable high-pressure polymorph of Ca_3Al_2Si_3O_<12>" Phys.Earth Plaret.Inter.92. 25-31 (1995)
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[Publications] Y.Yagi: "Chemical composition of the lower mantle inferred from the equation of stste of MgSiO_3 perovskite" Philosophical Transactions.
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[Publications] N.Funamori: "Thermal expansivities of MgSiO_3 perovskite determined by in situ x-ray obserrations up to 30 GPa and 2000K"