1995 Fiscal Year Annual Research Report

X線観測による銀河団の構造と進化の研究

Research Project

Project/Area Number	07102007
Research Institution	Nagoya University
Principal Investigator	山下広順名古屋大学, 理学部, 教授 (80022622)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	難波義治中部大学, 工学部, 教授 (40029129) 田原譲名古屋大学, 理学部, 助教授 (10135296) 國枝秀世名古屋大学, 理学部, 助教授 (00126856)
Keywords	銀河団 / X線スペクトル / プラズマ温度 / ハッブル定数 / X線望遠鏡 / 多層膜スーパーミラー / 超精密非球面加工 / スパッタリング
Research Abstract	X線天文衛星「あすか」によって観測された銀河団の画像スペクトルデータの解析をもとに、その構造と進化の研究を進めている。数〜十個の銀河からなる銀河群では、プラズマ温度は1keV前後になるが、O、Ne、Fe-L、Mg、SiのHe-likeとH-likeイオンの輝線の強度を説明できない。銀河団を宇宙赤方偏移0.1を境に近傍と遠方に分け、スペクトル解析をすると進化の様子が見えてきた。かみのけ座銀河団の不均一な温度分布は併合合体の問題を解く手がかりとなった。中心部における冷却流の存在する銀河団では、周辺から中心に向かって温度が減少し、重元素の存在量が増加していることが顕著にみられ、共鳴散乱効果とともに再結合プラズマからのX線放射を考慮することが必要になってきた。同様な問題は、遠方の銀河団A665で鉄のKβ輝線が異常に強いことにも現われており、これまでに言われている重元素の存在量を再検討することが必要である。鉄輝線のKαとKβの強度比及び表面輝度分布をもとに共鳴散乱による光学的深さを産出し、宇宙の大きさ・年令を決めるハッブル定数を決定することを試みているがまだ結論が出ていない。 X線望遠鏡の開発には大きな進展がみられた。超精密非球面加工法によって製作された回転放物面・双曲面のウオルターI型金属鏡では結像性能10秒角以下の値が得られた。円筒内面スパッタリング装置を用いて、Pt/C多層膜スーパーミラーを製作し、特性X線により反射率の測定をしたところ、目標とする性能が達成されていることが明らかになった。1998年度の気球実験を目指して、硬X線望遠鏡の設計を進めている。今年度購入を予定したX線分光器、X線CCDカメラ、X線ビームエキスパンダーは納入され、性能評価の精密化と効率化が図られている。得られた研究成果は四つの国際会議で発表された。

Research Products

(8 results)

All Other

All Publications (8 results)

[Publications] H.Kunieda: "X-Ray Spectroscopy of Photoionized Plasmas in Astrophysics" UV and X-Ray Spectroscopy of Astrophysycal and Laboratory Plasmas (eds.K.Yamashita and T.Watanabe,Universal Academy Press,Inc.,Tokyo). 21-26 (1996)
[Publications] Y.Tawara: "Imaging Spectroscopy of Clusters of Galaxies with ASCA" UV and X-Ray Spectroscopy of Astrophysycal and Laboratory Plasmas. 145-149 (1996)
[Publications] 難波義治他: "オンマシン計測による斜入射X線ミラーの超精密研削" 精密工学会誌. 61. 1285-1289 (1995)
[Publications] K.Yamashita: "Application of multilayers to VUV and x-ray astronomy" J.Elect.Spec.Rel.Phenom.(in press). (1996)
[Publications] H.Kunieda et al.: "Normal Incidence Multilayer Telescope for Galactic EUV Observation" J.Elect.Spec.Rel.Phenom.(in press). (1996)
[Publications] K.Yamashita: "ASCA Observation of Clusters of Galaxies" IAU Symp.No.175,Extragalactic Radio Sources (ed.C.Fanti).(in press). (1996)
[Publications] 難波義治: "超精密生産技術大系第1巻基本技術「フロート・ポリッシング」" (株)フジ・テクノシステム、小林昭監修、河西俊雄編, 1096(337-341) (1995)
[Publications] 山下広順: "超精密生産技術大系第4巻応用技術「X線望遠鏡」" (株)フジ・テクノシステム、小林昭監修、土肥俊郎編, 978(484-490) (1996)

1995 Fiscal Year Annual Research Report

X線観測による銀河団の構造と進化の研究

Principal Investigator

山下 広順 名古屋大学, 理学部, 教授 (80022622)

Research Products

[Publications] H.Kunieda: "X-Ray Spectroscopy of Photoionized Plasmas in Astrophysics" UV and X-Ray Spectroscopy of Astrophysycal and Laboratory Plasmas (eds.K.Yamashita and T.Watanabe,Universal Academy Press,Inc.,Tokyo). 21-26 (1996)

[Publications] Y.Tawara: "Imaging Spectroscopy of Clusters of Galaxies with ASCA" UV and X-Ray Spectroscopy of Astrophysycal and Laboratory Plasmas. 145-149 (1996)

[Publications] 難波義治 他: "オンマシン計測による斜入射X線ミラーの超精密研削" 精密工学会誌. 61. 1285-1289 (1995)

[Publications] K.Yamashita: "Application of multilayers to VUV and x-ray astronomy" J.Elect.Spec.Rel.Phenom.(in press). (1996)

[Publications] H.Kunieda et al.: "Normal Incidence Multilayer Telescope for Galactic EUV Observation" J.Elect.Spec.Rel.Phenom.(in press). (1996)

[Publications] K.Yamashita: "ASCA Observation of Clusters of Galaxies" IAU Symp.No.175,Extragalactic Radio Sources (ed.C.Fanti).(in press). (1996)

[Publications] 難波義治: "超精密生産技術大系 第1巻 基本技術「フロート・ポリッシング」" (株)フジ・テクノシステム、小林昭 監修、河西俊雄 編, 1096(337-341) (1995)

[Publications] 山下広順: "超精密生産技術大系 第4巻 応用技術「X線望遠鏡」" (株)フジ・テクノシステム、小林昭 監修、土肥俊郎 編, 978(484-490) (1996)

山下広順名古屋大学, 理学部, 教授 (80022622)

[Publications] 難波義治他: "オンマシン計測による斜入射X線ミラーの超精密研削" 精密工学会誌. 61. 1285-1289 (1995)

[Publications] 難波義治: "超精密生産技術大系第1巻基本技術「フロート・ポリッシング」" (株)フジ・テクノシステム、小林昭監修、河西俊雄編, 1096(337-341) (1995)

[Publications] 山下広順: "超精密生産技術大系第4巻応用技術「X線望遠鏡」" (株)フジ・テクノシステム、小林昭監修、土肥俊郎編, 978(484-490) (1996)