1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07102010
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松沢 哲郎 京都大学, 霊長類研究所, 教授 (60111986)
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Keywords | 数概念 / 短期記憶 / バイオロジカル・モーション / 模倣 / 道具使用 / 世代間伝播 / チンパンジー / オランウータン |
Research Abstract |
継続研究として、チンパンジーの認知機能の実験的分析をおこなった。本年度のトピックは、数の認識、数系列の記憶にみる短期記憶の容量、視覚における光運動情報の処理(いわゆるバイオロジカル・モーションの理解)、チンパンジーにおける自然概念の成立、トークン(代用貨幣)の理解と使用などである。また社会的知性の研究もおこなった。チンパンジーにおける対象操作行動の模倣、道具使用の習得と個体間伝播・観察学習のタイミングの研究などである。1群11個体のチンパンジー集団を対象に上記の研究をおこなうとともに、アフリカ・ギニアの野生チンパンジーの道具使用行動を野外実験の手法で解析した。こうして、チンパンジーが習得する技術や知識の詳細を明確にするとともに、個体間伝播の様相と機構について、観察と実験の双方の手法を使って明らかにした。こうした伝播において、「長期にわたる注意深い観察行動」「適切なタイミングにおけるモデル個体の観察」「そうした観察を許すモデルの側の寛容さ」「<真似たい><同じことをしたい>という模倣それ自体がもつ強い動機づけ」といった事柄の重要性が明らかになった。また世代間伝播の核心となるさらなる研究のために、人工授精等をおこない新たにチンパンジー3個体の妊娠に成功した。チンパンジーの比較研究のために、オランウータンの研究をボルネオでおこなった。テナガザルについては昨年度に引き続いて2例目の個体を得て研究を継続した。ニホンザルについても比較研究を実施した。こうした研究の成果については、「ネイチャー」その他の学術誌に掲載され公表されている。
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[Publications] Matsuzawa, Tetsuro: "Factors influencing imitation of manipulatory actions in chimpanzees (Pam troglodytes)"Journal of Comparative Psychology. 113(2). 128-136 (1999)
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[Publications] Matsuzawa, Tetsuro: "Numerical ordering in a chimpanzee (Pam troglodytes) : phoning, orcuting, monitoring"Journal of Comparative Psychology. 113(2). 178-185 (1999)
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[Publications] Matsuzawa, Tetsuro: "Memory span of a chimpanzee"Nature. 403. 39-40 (2000)
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[Publications] Hauser, M. et al. (eds) Matsuzawa, Tetsuro: "The design of animal Communication"Cambridge University Press. 701 (1999)