1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07201201
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
西谷 忠師 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (10134082)
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Keywords | 遺跡探査 / 古墳探査 / 石造構造物 / 電場磁場観測 / VLF探査 / 比抵抗変化 / 石室 / 今城塚古墳 |
Research Abstract |
本研究で用いているのは九州南部から発信されている人工電磁場を利用して地下の比抵抗構造を調べる地磁気地電流法である。この手法を実際の古墳に適用した。探査を行ったのは、京都府日向市の物集女車塚古墳、茨城県ひたちなか市にある殿塚1号墳、笠谷1号墳、虎塚5号墳、虎塚4号墳の4つの古墳、大阪府高槻市の今城塚古墳である。 日向市の物集女車塚古墳は整備が行われ、石室の位置が明らかになっている。測定値そのままでは段丘層の影響が大きく、解釈が困難であった。しかし、大きな比抵抗トレンドを除去すれば、石室に対応する変化が明確になった。ひたちなか市の古墳は、調査の終了した古墳、途中まで発掘されている古墳、未調査の古墳と種類はさまざまである。この4つの古墳の探査結果から、石室の位置を効率的に推定する方法を見い出した。すなわち、古墳全体で見ると、全体的には低比抵抗であるが、比抵抗変化の様子は石室の両側で低く、石室中心部で高い比抵抗を示す傾向が存在する。この傾向は、石室が低比抵抗部に挟まれた高比抵抗部という特徴を表わしていると考えてもよいであろう。向日市、ひたちなか市の測定から、必ずしも比抵抗の高い部分が石室ではなく、大きな傾向からのずれを見い出すことが効率的な探査法であることを明らかにした。 上記の測定結果を基に、高槻市の今城塚古墳を再度測定した。1m間隔の詳細な測定を行い、石室に対応すると考えられる変化を見い出すことができた。石室の推定方向は南北方向で規模的に約3m×10m程度となった。この推定は考古学的な解釈とも矛盾しない。石室に対応する地表付近では地形的な落ち込みがあり、石室との関連が予測出来た。異常部分は電気探査による測定でも見い出すことが可能であった。
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Research Products
(2 results)