1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07207104
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
小林 光夫 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (70008829)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 卓治 国立歴史民俗博物館, 情報資料研究部, 助手 (70270402)
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Keywords | 絵画の色彩分析 / 画像の離散色近似 / 色彩情報処理 |
Research Abstract |
1.設備の導入と利用 パソコンおよび画像入出力装置(スキャナ,CRT,プリンタ)を平成7年9月に導入し,学内LANに接続した.画集や絵はがきからの画像データの取り込みと蓄積,研究室に既設のワークステーションとのデータ交換など,計画に示した導入目的を達成することができた. 2.分析ソフトウェア開発の進捗 ワークステーション上で動作する,色彩と画像の情報処理システムを開発した.システムは,画像の離散色近似処理,モザイク画作成処理,明暗/色彩成分画像作成処理,色分布の可視化処理などの機能を含んでいる.離散色近似処理について「逐次クラスタ化を用いた画像の色彩分析」という題目で発表した. 3.色彩分析研究の進捗 マクロな視点からの色彩分析手法として,画面上の色の配置を表わすいくつかの指標を考え,その妥当性を検証した.これは「絵画の色彩分析における一手法-画面上の色の配置を考慮して」および「絵画の色彩分析の試み-画面上の色の配置に着目して」という題目で発表した. またミクロな視点からの色彩分析の手法を考えるため,いくつかの画像についてその色分布を詳細に分析することを行ない,「色彩美の追求-配色問題へのアプローチ」という題目で発表した. これらの結果を踏まえて,色彩・デザインの専門家を交えての研究会を平成7年11月に実施し,今後の研究の方向性について貴重な指針を得ることができた.とくに画像の明暗/色彩成分の分析の有効性が指摘された.これを受けて明暗/色彩成分の分析を試みたところ,いくつかの興味深い結果が得られた.これについて「明暗か色彩かによる絵画の特徴づけ」という題目で発表の予定である. なお,これまでの研究の総括と今後の方向性について,「絵画の色彩的特徴に関する数量的分析」という題目で発表を行なった.
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[Publications] 小林光夫・三木智靖・鈴木卓治: "絵画の色彩分析における一手法-画面上の色の配置を考慮して" 日本色彩学会誌(全国大会発表). 19. 74-75 (1995)
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[Publications] 小林光夫・鈴木卓治: "逐次クラスタ化法を用いた画像の色彩分析" 日本色彩学会誌(全国大会発表). 19. 72-73 (1995)
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[Publications] 小林光夫・三木智靖: "絵画の色彩分析の試み-画面上の色の配置に着目して" 電気通信大学紀要. 8. 23-35 (1995)
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[Publications] 小林光夫: "色彩美の追求-配色問題へのアプローチ" カラーフォーラムJAPAN'95論文集(招待講演). 37-44 (1995)
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[Publications] 小林光夫・鈴木卓治: "明暗か色彩かによる絵画の特徴づけ" 日本色彩学会誌(全国大会発表予定).
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[Publications] 小林光夫・鈴木卓治: "絵画の色彩的特徴に関する数量的分析" シンポジウム「人文科学における数量的分析」報告集. (1996)