1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07207119
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
小沢 一雅 大阪電気通信大学, 情報工学部, 教授 (40076823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 亮衛 国立教育研究所, 教育情報・資料センター, 研究員 (40200951)
江澤 義典 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90098103)
加藤 常員 大阪電気通信大学短期大学部, 電子情報学科, 講師 (50202015)
梅田 三千雄 大阪電気通信大学, 情報工学部, 教授 (30213490)
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Keywords | 人文科学 / データベース / 考古学 / テキストデータ / 機械可読 / 文字認識 / ファジイ理論 / 研究支援 |
Research Abstract |
人文科学で有効なデータベースの実現に向けて、できる限り普遍性をもつ方法論の追求をめざして以下のような研究を実施した。基本方針は昨年度とほぼ同様の路線を踏襲している。 まず第1に、考古学領域におけるデータベースのあり方について多角的な調査研究を実施した。一方、ケーススタディとして、弥生-奈良時代における特定の遺跡および前方後円墳に関するデータベースの構築をめざして、データの収集を行うとともに、データベース化に向けた技術的検討を行った。 第2に、テキストデータに頻繁に出現する固有名詞としての人名(苗字)や地名に関するデータベースの構築を試みた。テキストデータを自動的に機械可読化する技術はいわゆる文字認識の技術と密接に関係するが、とりわけ日本語テキストを構成する漢字の取り扱いはいまなお多くの技術的な問題を含んでいる。苗字・地名データベースの構築は、日本語テキストが内包する特定語の集合についてのデータベース構築のケーススタディとしての意味をもつと同時に、日本語テキストの認識と処理に関する基礎研究としても重要性をもつ。これに関連して、機械可読化されたテキストからの内容検索技法に関する基礎的な調査研究を実施し、人文科学研究における有効性について検討を始めている。 第3に、人文科学データの「あいまいさ」の取り扱いに焦点をあてた基礎的研究を実施する。あいまいさはあらゆるデータに出現し、その取り扱いについては多くの技術的問題が含まれている。とりわけ人文科学データにおいてあいまいさはきわめて重要な役割をはたすものであって、これを抜きにしてデータベースを考えることができない。あいまいさを扱うひとつの方法論としてファジイ理論がある。本研究では、ファジイ理論にもとづく人文科学的データベースの構築について基礎理論的な調査研究を実施した。 公募研究を含む当該データベース研究に従事する研究者相互間での問題認識の共通化のため、本年度は公開シンポジウムを1回開催した。
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Research Products
(21 results)
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[Publications] 小沢一雅: "考古学と情報工学" 日本情報考古学会第2回大会予稿. (1996)
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[Publications] 小沢一雅: "巨大古墳の“設計図"を求めて" 別冊歴史読本『日本古代史[王権]の最前線』. 102-109 (1997)
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[Publications] 小沢一雅: "前方後円墳の形から古代を推理する-古墳データベースの応用-" シンポジウム「人文科学とコンピュータ」予稿. (1996)
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[Publications] K.Ozawa: "ASM : An Ancient Scenery Modeller" British Museum Occational Paper. 114. 109-118 (1997)
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[Publications] Min-Lu Dai and K.Ozawa: "Texture Synthesis by L-Systems" Image and Vision Computing. (in press).
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[Publications] 梅田三千雄: "ハフ変換" 日本ファジィ学会誌. 8・2. 229-233 (1996)
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[Publications] Michio UMEDA: "Advances in recognition Methods for Handwritten Kanji Characters" IEICE Trans.on Information and Systems. E-79-D5. 401-410 (1996)
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[Publications] K.SEKIYAMA,Y.TOHKURA and M.UMEDA: "A few factors which affect the degree of incorporating lip-read information into speech perception" Foruth Internationl Conference on Spoken Language Processing. (1996)
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[Publications] 松尾賢一,上田勝彦,梅田三千雄: "カラー情景画像からの文字列領域の抽出" 電気学会論文誌. 116-C11. 1252-1258 (1996)
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[Publications] 次井拓也,梅田三千雄: "手書き数字認識の高精度化" 平成8年電気関係学会関西支部連合大会. G14-13. (1996)
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[Publications] 赤松基宏,梅田三千雄: "文字認識の特徴量による筆者識別の検討" 平成8年電気関係学会関西支部連合大会. G14-14. (1996)
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[Publications] 井村寛,梅田三千雄: "文字認識における地模様除去" 平成8年電気関係学会関西支部連合大会. G14-15. (1996)
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[Publications] 濱裕治郎,梅田三千雄: "再個別文字認識を用いた手書き住所文字列の認識" 平成8年電気関係学会関西支部連合大会. G14-16. (1996)
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[Publications] 三崎揮市,村瀬興資,梅田三千雄: "筆跡と筆圧を利用した個人識別の検討" 日本鑑識科学技術学会第2回学術大会. K-5. (1996)
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[Publications] 濱裕治郎,梅田三千雄: "2段階個別文字認識を用いた手書き住所文字列の認識" 電子情報通信学会技術報告. PRMU・96-150. (1997)
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[Publications] 加藤常員: "データベースとはなにか" ワークショップ「埋蔵文化財担当者のためのコンピュータ入門」. 3-22 (1996)
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[Publications] 加藤常員,小沢一雅: "遺伝的アルゴリズムを用いた非階層的クラスタリング" 情報処理学会論文誌. 37・11. 1950-1959 (1996)
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[Publications] 小林努,加藤常員,小沢一雅: "WWWによる考古学データベースの発信" 情報処理学会研究報告. 97-CH-33-7. 37-42 (1997)
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[Publications] 江澤義典: "異質エージェントを含む系における柔らかい協調機構について" 第12回ファジィシステムシンポジウム. (1996)
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[Publications] 江澤義典: "情報教養研究会編著「新・情報社会人のすすめ」" ぎょうせい(印刷中),
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[Publications] 馬野元秀,江澤義典: "林勲・古橋武編著「ファジィ・ニューラルネットワーク」" 朝倉書店, (1996)