Research Abstract |
本年度は,「間」のデータをできる限り多様かつ多数集め,データベースのデザインを確立するための基礎資料を得ることを目的とした。下記項目のデータ収集に努めた。 1.「間」に関する文献の収集 絵画,建築,音楽,演劇,話術,スポーツなどの分野において,芸談,文芸論,芸術論,武芸談として論じられている「間」の文献を集め,整理する。 2.「間」に関する映像データの収集 テレビ,映画,ビデオテープ,レーザーディスクなどのメディアによって提供されている映像の中から「間」に関係するものを探し,収集する。また,演劇,建造物,絵画などを撮影し,「間」の資料を集める。 3.「間」に関する音響データの収集 コンパクトディスク,ミニディスク,磁気テープなどのメディアによって提供されている音響の中から「間」に関係するものを探し,収集する。また,音楽演奏,演説,環境音などを録音し,「間」の資料を集める。 4.「間」に関する数値データの作成 画像解析,音響分析により,「間」の物理量を測定するとともに,心理学実験によって「間」の感性を数量化する。 以上のうち,主として時間的な「間」について,マルチメディアデータベース作成のためのデータの用意が進んでいる。現在のところ,「間」のデータベースはマルチメディアの技術を駆使する必要があることと,その具体的方法の可能性を認識した段階である。1995年12月25・26日開催の公開シンポジウム「人文科学とデータベース」において,音響,動画データを含む具体的なデータファイルの雛型を提示した。今後,デザインを検討し,具体例を作成して,データベース作成の準備態勢を整えたい。
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