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1995 Fiscal Year Annual Research Report

林の数量化理論第3類による俳句に詠み込まれた音環境の分析-名義尺度データの数量的分析により日本人の音感性を探る-

Research Project

Project/Area Number 07207218
Research Institution九州芸術工科大学

Principal Investigator

岩宮 眞一郎  九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助教授 (60112356)

Keywordsサウンドスケープ / 俳句 / 日本人 / 感性 / 多変量解析 / 音 / エントロピー / 名義尺度
Research Abstract

本研究では,江戸時代から現代に至る,音に関する記述のある俳句3,810句を素材として,音と音が聞かれた状況の関係を探ってきた。俳句の表現された音環境は,日常生活の中で,耳を傾け,愛着を憶えた音のコレクションにほかならない。そこには,日本人の音感性が反映されている。本研究では,まず,素材とした俳句に詠まれた音,その音が詠まれた季節,地域を,いくつかのカテゴリーに分類し,音と季節,地域の関わりを示すクロス表を作成した。そして,このように分類したデータに,情報理論のエントロピーの概念を適用して,音と季節、音と地域との依存性を定量的に把握することを試みた。さらに,林の数量化理論第3類の適用により,音,季節,地域の各カテゴリーを空間上に布置し,各カテゴリー間の関係を包括的に理解することができた。以上の分析を通して,「秋の虫の鳴き声」,「町に季節の訪れを知らせるもの売りの声」,「社寺仏閣のサウンドスケープ」,「水辺のサウンドスケープ」といった,特徴的なサウンドスケープを捕らえることができた。それぞれのサウンドスケープを詠んだ代表的な句は,「鈴虫の声ふりこぼせ草の闇-亜柳」,「夜のかなた甘酒売の声あわれ-原石鼎」,「除夜の鐘幾谷こゆる雪の闇-飯田蛇忽」,「六月の風にのりくる瀬音あり-久保田万太郎」などである。俳句の中に詠み込まれている音は,ごくありきたりの,どこにでもあるような音ばかりである。その平凡な音が,我々の生活や自然環境といったコンテクストに意味づけられ,価値づけられたとき,我々の心の琴線に触れる。しかし,これらのサウンドスケープは,様々な環境騒音があふれる今日,意識されないことも多い。快適な音環境を創造するためには,こういった日本の音の原風景ともいえる音環境を意識し,保全することが求められる。

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] 岩宮眞一郎: "俳句の中に詠み込まれた音環境における音とその音が聞かれた状況の関係." 日本騒音制御工学会技術発表会講演論文集. 145-148 (1995)

  • [Publications] 永幡幸司: "歳時記に詠み込まれた音環境の時代変遷の統計的分析" 日本音響学会誌. 52. 77-84 (1996)

  • [Publications] 碓井陽子: "ふるさと歳時記に詠み込まれた音環境-音と地域の関わりに関する研究:近畿編-" 日本音響学会騒音・振動研究会資料. N-95-73. 1-8 (1996)

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Published: 1997-02-26   Modified: 2016-04-21  

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