1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07207254
|
Research Institution | (財)元興寺文化財研究所 |
Principal Investigator |
塚本 敏夫 (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (30241269)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 京子 (財)元興寺文化財研究所, 保存科学センター, 研究員 (90261213)
|
Keywords | 三次元形状計測 / 考古学 / 形状比較法 / 文化財 / 座標変換 / モデリング / 遺物計測 / CAD |
Research Abstract |
青銅鏡の計測実験を既存の計測装置(NKエクサ製レーザースリット走査方式とオ-ジス総研製コード化パターン投影法)を使用し,視野サイズ(レンジ)を変えて行った。その結果,視野サイズを小さく(高精度)すれば細部の文様の計測もできることが確認できた。計測時間に拘束されず,計測精度を必要とする青銅製品の計測には小視野タイプで高精度のレーザー光走査方式のラインセンサーを用いて,高精度の移動テーブルでの分割計測が最適であるという結果を得た。そこで本計測実験には奈良先端技術大学院大学の佐藤宏介助教授が青銅製品計測用に開発した計測装置を用いて計測を行った。(その結果については現在解析中である。) 考古遺物の新しい形状比較法として三次元データでの立体比較が考えられる。立体比較には多視点の座標系のデータを同一座標系に変換しなければならない。そこで,簡易に,精度良く座標変換を行うため,最初のステップとして,特徴点制御座標変換による形状比較ソフトを開発した。これは同一と思われる特徴点2点(ペア点)を3点以上指定し,最小二乗法によりペア点同士の三次元的な距離が最小になるような平行移動量,回転角度を算出し,自動的に座標系統一を行い,任意断面で比較可能なソフトとなっている。簡単な形状の同笵製品の比較試験を行い使用可能であることが確認できた。しかし,特徴点の選定誤差や明瞭は特徴点が得られない場合の問題等,まだまだ実用化には問題が山積している。 本年度の研究で三次元形状計測データが考古遺物の形状比較法として見通しがついた。今後は,CAD上で有効に比較ができるよう遺物の特性にあった適応的なモデリング手法や多視点計測の自動座標変換(自動合成)の開発に一歩でも近ずくよう研究を進めていきたい。
|