1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07210250
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 順 大阪大学, 理学部, 助教授 (90157751)
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Keywords | 3次元多様体 / 結び目 / 量子不変量 / キャッソン不変量 / バシリフ不変量 / コード図 / ファイマン図 |
Research Abstract |
まず、Thang T.Q.Le氏とともに、結び目やタングルの普遍バシリフ・コンツェビッチ不変量について研究した。そして、タングルのある紐を平行化したときの普遍バシリフ・コンツェビッチ不変量を求めるための公式を導いた。また、タングルの普遍バシリフ・コンツェビッチ不変量が“グループライク"という性質を持つことを示した。 次に、大槻知忠氏、Thang T.Q.Le氏、及び村上斉氏とともに、普遍バシリフ・コンツェビッチ不変量の3次元多様体の不変量への一般化を試みた。先に求めた平行化の公式をもちい、普通ジシリフ・コンツェビッチ不変量で使われているコード図の空間をさらにある3項関係式で割って、さらに適当に正規化したものが、カ-ビ-変形で不変となることが、さきにもとめた平行化の公式などからわかる。従ってこれが3次元多様体の不変量となる。この不変量は2次元線型空間に値をとり、3次元多様体の1次のホモロジー群の位数と、キャッソン・ウォーカ-不変量とで張られる。 さらに、さきの3項関係式を一般化することを試み、3次元多様体の不変量の族を構成することができ、普遍バシリフ・コンツェビッチ不変量がグループライクであることを用いてこの族を統一的に記述することができた。これを3次元多様体の普遍量子不変量と呼ぶ。Le氏により、普遍量子不変量は大槻-ガルファリディスの意味での有限型の不変量をすべて具体的に実現するものであることが示された。さらに、普遍量子不変量は、量子不変量の漸近展開の様子を統一的に記述していると期待されており、また、境界付きの3次元多様体の不変量に拡張することにより、量子不変量に関連した位相的場の理論を統一的に記述するものと期待されるが、これらは、今後の研究課題である。
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