1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07210271
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
青木 貴史 近畿大学, 理工学部, 助教授 (80159285)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 幹夫 近畿大学, 理工学部, 助教授 (90189019)
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Keywords | WKB解析 / パンルヴェ方程式 / 多重スケール解析 / cis-polyacetylene / trans-cisoid / cis-transnoid |
Research Abstract |
1.大きなパラメータを持つパンルヴェ方程式のexactWKBanalysisの方法による研究においてもっとも基本的かつ重要な問題は形式解の接続公式を得ることである。そしてそのためには形式解の完全な記述が必要となる。形式解のうちでいちばん簡単なものは大きなパラメータの逆べきで展開されるような形式べき級数の表示を持つものでパンルヴェ方程式に対して,このようなものを決定することは容易で,本質的に一意に決まる.しかし,パンルヴェ方程式は2階であり一般解は2個の任意定数を含まなければならないので、この形式解は一般解というにはほど遠い.そこで,II型パンルヴェ方程式に対して2個の任意定数を含む形式解を構成することを試み,成功した.方法は基本的にははじめに得られた形式べき級数解を中心とした線形化を行うのであるが、非線形項の影響で単純に展開して係数を決めていっても共鳴が起きて,形式解の構造はひじょうに複雑となり見やすい形にまとめることはできない.そこで多重スケールの方法を用いて特異摂動と正則摂動の部分を分離し,正則摂動部分の無限和を先にとることにより2個のパラメータをもつ形式解の族を扱い易い形で得た.さらに,一般項の関数型を決定した(青木). 2.cis-polyacetyleneの不安定な相trans-cisoidが安定な相cis-transnoidへ量子的に崩壊する確率を,WKB近似を用いて解析した.仮想束縛状態のエネルギーを正しく評価することにより,崩壊確率は10ケタ前後大きくなることを示した(中原).
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[Publications] Takashi Aoki: "Instanton-type formal solutions to the second Painleve equations with a large parameter" Proceedings of the JSPS-CNRS Joint Seminar ゙New Trends in Microlocal Analysis゙. (発表予定).
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[Publications] Mikio Nakahara: "Macroscopic quantum Nucleation in cis-Polyacetylene" Progress of Theoretical Physics. 94. 331-341 (1995)