1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07213224
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
菊地 耕一 東京都立大学, 理学部, 助教授 (40177796)
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Keywords | 金属フラーレン / 構造解析 / フラーレンケージ / ユーロピウムフラーレン / 生成量 |
Research Abstract |
1.金属フラーレンの構造を明らかにするために、種々のランタン金属フラーレンの単結晶の作成を試みたが、良質の単結晶を得ることが不可能であった。そこで、昇華精製したLaC82を用いて測定した粉末X線回析データをMEM法により解析を行い、金属が内包していることを明らかにした。また、金属フラーレンのフラーレンケージとして、可能な9つのうち、C2対称を有する2つに絞った。 2.金属の変化に伴う金属フラーレンの性質の変化に関する系統的研究の一環として、7種のランタノイド金属を含む炭素棒のアーク放電から金属フラーレンを作成し、金属により金属フラーレンの生成量がどのように異なるか、また、生成する金属フラーレンの種類がどのように変化するか研究した。研究手段としては、放射化分析の方法を用い、生成した金属フラーレンを含むすすから溶媒抽出した試料からC60フラーレンを除去した後に原子炉において中性子により、金属の放射化を行った。放射化した試料をHPLCで展開し、生成した金属フラーレンの種類と生成量を明らかにした。その結果、ユーロピウム金属フラーレンの溶離曲線は他の金属フラーレンと大きく異なった。質量分析の結果、ユーロピウム金属フラーレンには、ケージとして、C82以外にC84のケージを有する金属フラーレンの生成していることが明らかとなった。しかも、C82のケージを有するものでも、他の金属の場合とは異なる時間に溶出することが明らかとなった。また、C82のケージを有する金属フラーレンで生成量を比較検討した結果、ユーロピウム金属フラーレンの生成量が著しく少ないことがわかった。このように金属フラーレンにおいてもユーロピウム金属が特異的挙動を示すことは興味深いことである。
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[Publications] H.Kawata: "“Structural Aspects of C82 and C76 Crystals Studied by X-Ray Diffraction"" Phys.Rev.B51. 8723-8730 (1995)
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[Publications] M.Nomura: "“An XAFS Study of Metallofullerene La@C82"" Physica. B208.209. 539-540 (1995)
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[Publications] K.Kobayashi: "“Activation and Tracer Techniques for Study of Metallofullerene"" J.Radioanal.Nucl.Chem.192. 81-89 (1995)
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[Publications] T.Ohtsuki: "“Observation of Radioactive Fullerene Families Labeled with ^<11>C"" J.Am.Chem.Soc.117. 12869-12870 (1995)
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[Publications] S.Matsuura: "“Anomalous Photoconductance band in C60 Single Crystal"" Phys.Rev.B51. 10217-10220 (1995)
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[Publications] T.Suzuki,: "“Electrochemistry and Ab Intio Study of the Dimetallofullerene La_2@C_<80>"" Angew.Chem.Int.Ed.Engl.34. 1094-1096 (1995)