1995 Fiscal Year Annual Research Report
保護した隣接ジオールによる不斉空間構築と不斉合成への活用
Project/Area Number |
07214221
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
斉藤 清機 岡山大学, 工学部, 教授 (60033239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 彰彦 岡山大学, 工学部, 助手 (10263617)
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Keywords | 不斉マイケル付加 / β-アミノ酸等価体 / オキサゾリジノン / ヒドキシルアミン / ジアステレオ選択 / ルイス酸・アミン複合反応剤 |
Research Abstract |
(1)α,β-不飽和エステルのアルコール由来基に,酒石酸,マンデル酸,パントラクトン等のヒドロキシカルボン酸エステルを導入すれば,アキラルなヒドロキシルアミンとのマイケル付加反応において生成する付加成績体が引き続き分子内エステル交換反応をおこして,オキサゾリジノン体が一挙に生成することを見出した。また,本反応は,キラルなヒドロキシルアミン(R^*HNOH)を用いれば,重複不斉誘導によって高ジアステレオ選択的に進行することも見出した。オキサゾリジノン体のN-O結合は容易に開裂可能であり,その過程を含んでオキサゾリジノンがβ-アミノ酸の等価体であり,従って本反応がβ-アミノ酸の不斉合成法としても有用であることを明らかにした。 (2)ベンジルヒドロキシルアミンをキラルなルイス酸,例えば(S,S)-2,3-O-Benzylidene-1,1,4,4,-tetraphenylbutanetetraolとトリメチルアルミニウムから調製したメチルビスアルコキシアルミニウム体,と反応させればルイス酸点を併せ持ったヒドロキシルアミン・アルミニウム複合反応剤が生成することを見い出した。この反応剤は非常に活性な窒素求核反応剤として機能し,-65℃でもα,β-不飽和エステルに対してマイケル付加反応を行うことが可能であることを明らかにした。またこの際エナンチオ面区別も可能であり(現在最高60%ee),キラル補助基の検索を現在進行中である。
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