1995 Fiscal Year Annual Research Report
新しい分子変換の場としての高分子メディエータ・酸素複合電極系
Project/Area Number |
07215101
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
中村 良治 福井大学, 工学部, 教授 (80020189)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千田 貢 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (90026419)
末 信一朗 福井大学, 工学部, 助手 (90206376)
|
Keywords | NAD(H) / 補酵素循環再生 / 修飾電極 / 高分子化補酵素 / メディエータ / 生物電気化学 |
Research Abstract |
酸化還元酵素反応に必要となる補酵素の電解還元反応のための分子変換場となる酵素・補酵素NAD^+並びにメディエータの各種複合固定電極の調製と、それらにより共役酸化還元酵素反応を駆動させる生産システムの構築を目指す本研究において、(1)先に調製した補酵素固定化アルギン酸Alg-NAD^+を用いての非電解系での共役酸化還元反応、(2)補酵素還元用酵素、目的反応用酵素及び補酵素を複合固定したAlgを用いての補酵素の電解還元と主酵素反応との共役反応、(3)先に調製した修飾カーボン電極の被覆層ポリアミノアニリン(PAA)へのビオローゲン誘導体の固定及び酵素と補酵素の複合固定と、それら修飾電極を用いての補酵素の電解還元と主酵素反応との共役酸化還元酵素反応を試みた。 この結果、(1)Alg鎖にペンダント状に懸垂する補酵素間(-NAD^+/-NADH)での電子交換により同じ高分子鎖上でのNADHの消費と再生が促進されると判断される結果を得た。(2)目的の生成系と補酵素再生系に要する二つの酵素と補酵素を固定したAlg複合誘導体を用い、共役酵素反応による目的物生成を追跡した結果、その速度は対応する全成分遊離体の場合と同程度であることが確認された。(3)共役酸化還元酵素反応による有用物質の生産システムの構築に際し、補酵素及び酵素は電極に直接固定する方法を採用しうるが、ビオローゲンの固定は固定層がPAAの場合には不適切であり、これは水溶性高分子に固定する方法が望ましいものと判断された。このため、反応システムは最終的には3槽型とし、中央に置く電解反応槽の一方はカチオン交換膜で対極槽と、他方はアニオン交換膜で生成物の回収槽と隔離することで、高分子化ビオローゲンの反応槽からの流失を防止しつつ目的生成物を効率良く回収する方策が最善との結論を得た。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Y.Nakamura et al.: "Electron-Transfer Function of NAD^+-Alg immobilized Alginic Acid" Biochimica et Biophysica Acta. (印刷中). (1996)
-
[Publications] S.Suye et al.: "Purification and Characterization of Glutaimine Synthetaze from Arthrobacter durescens IAM 12340" Biotechnology and Applied Biochemistry. 22. 367-376 (1995)