1995 Fiscal Year Annual Research Report
不安定反応中間体の直接電解酸化による特異的活性種の創成と有機合成への利用
Project/Area Number |
07215207
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
千葉 俊郎 北見工業大学, 工学部, 教授 (00091554)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沖本 光宏 北見工業大学, 工学部, 助手 (00113704)
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Keywords | 電解酸化 / ケチミン / ジヒドロ-1H-イミダゾール / 2H-イミダゾール / α-アミノケトン / ピラジン / α-ジケトン |
Research Abstract |
ケトンとアンモニアから生じる反応中間体ケチミンは不安定な為、通常単離することは困難であるがそれらを反応系内で発生させそれをそのまま電解酸化に供することにより、これまであまり報告されていない究めて稀な化合物2,2-dialkyl-2,5-dihydro-1H-imidazoleを得てそれらの化学的性質、およびスペクトル的データを詳細に検討した。 即ち、ケトン(1)をアンモニア性メタノール中、触媒量のKI存在下で電解酸化を行うと1とアンモニアから生じる不安定中間体ケチミン(2)がもっぱら酸化を受け、対応する2,2-dialkyl-2,5-dihydro-1H-imidazole (3)を生じること、3は希塩酸で処理すると容易にα-アミノケトン塩酸塩(4)と親ケトンに加水分解されること、4は空気中でアルカリで処理すると遊離したα-アミノケトンが2分子間縮合を起こしてジヒドロピラジンとなり、次いで空気酸化を受けてピラジン(5)となること、一方、本電解反応において過剰の電気量を投入すると3はさらに酸化を受けて2H-imidazole (6)を生じ、6は3を次亜塩素酸ナトリウムで処理することによっても容易に得られること、6は3に比べ比較的安定であるが希硫酸と加熱すると対応するα-ジケトン(7)と親ケトンに加水分解されることを見いだした。本電解においてケチミンは陽極で発生したヨウ素陽イオンの攻撃を受けN-ヨウドイミンを形成し脱HIを経てナイトレニウムイオンあるいはアジリンの様な活性種を伴って反応が進行しているものと予想された。
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