1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07215208
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺前 紀夫 東北大学, 理学研究科, 教授 (70114569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 達也 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30261548)
塚原 聡 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50207338)
斎藤 紘一 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90004457)
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Keywords | 電解重合 / ポリアニリン / 光電気化学 / FT-ラマン / 表面増強ラマン散乱 / サイクリックボルタンメトク- / 水晶振動子マイクロ天秤 |
Research Abstract |
電極反応を利用した合成で,光で反応を制御する手段として半導体電極を利用することはよく知られているが,白金などの金属電極に対しても電極反応の空間的制御が可能であれば修飾電極を調製を始め多くの有用性が期待される。アニリンの電解重合過程でレーザー光を作用電極に照射すると,金属電極上の光照射部位にのみポリマーが析出するという半導体電極と同様の現象を最近見い出した。本年度は,アニリンの光電解重合機構を解析し,金属電極における空間選択的合成の試みを行った。 アニリンは酸性条件下で導電性膜が,中性条件下で絶縁性膜が電解重合法により生成する。中性溶液でCVを測定すると0.4VvsSCE付近に吸着種によると思われる波形が観測された。このピークについてピーク電位や電荷量の電位掃引速度依存性を検討した結果,吸着種の不可逆反応によるオリゴマー生成が推定できた。この化学種の同定のため,FT-ラマン法によりSERSの測定を行った。その結果,電極表面の単分子層レベルではモノマーの酸化電位以前にオリゴマーが生成しており,光照射により重合反応が進むことが分かった。また,電気化学的水晶振動子マイクロ天秤による検討も行った結果,オリゴマーの光励起種の酸化反応により単分子層レベルのポリアニリンが生成し,これがn型半導体として作用して光照射により重合反応が進行する機構が明らかとなった。 上記の解析を元に,Ar+レーザーを光源とした二光束干渉により金属極上にレーザー光の干渉パターン約2.5μmの間隔に対応したポリアニリンのワイヤーを作製し,電極反応の空間選択的制御をμmオーダーで可能とした。
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