1995 Fiscal Year Annual Research Report
ビオローゲン結合型金属ポルフィリンの光励起分子内電子移動過程に関する研究
Project/Area Number |
07215225
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大倉 一郎 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (90089821)
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Keywords | 分子内電子移動反応 / ポルフィリン / ビオローゲン / レーザフッラシュ / 光水素発生 |
Research Abstract |
昨年に引き続き新規な光増感剤と電子伝達体とを結合し、光励起分子内電子移動が容易に進行する錯体の合成を行なった。この錯体は1分子で光増感剤と電子伝達体との両方の機能を持つことを明らかにした。具体的成果は以下の通りである。 ビオローゲン結合型ポルフィリンの構造と機能との関係を調べるために一連の化合物を合成し、この化合物の蛍光強度、蛍光寿命、T-T吸収の減衰とメチレン鎖長との関係を調べ、特にポルフィリンの光励起一重項状態を経由したメチルビオローゲンへの電子移動過程に焦点をあてて実験を行った。 ビオローゲン結合型ポルフィリンの蛍光強度は、ビオローゲンの結合していないポルフィリンの蛍光強度と比べて小さく、メチレン鎖長が短くなるほど小さくなることがわかった。すなわち、メチレン鎖長が短くなるほどビオローゲンによる蛍光の消光がよく起こっていることを示している。ビオローゲン結合型ポルフィリンではいずれのメチレン鎖長の場合にも蛍光の減衰は2成分であった。長寿命の蛍光を示す成分はビオローゲンの結合していないポルフィリンの寿命とほぼ同一であるが、短寿命成分はメチレン鎖長に大きく依存していることがわかった。これらのビオローゲン結合型ポルフィリンには2種類のコンフォーメーションがあり、短寿命成分は分子内電子移動が可能なコンフォーメーションに起因していると思われる。ビオローゲン結合型亜鉛ポルフィリンではT-T吸収の減衰に対応して還元型ビオローゲンの生成も観測される。さらに生成した亜鉛ポルフィリンカチオンと還元型ビオローゲンの反応(逆反応)過程を測定した。その結果、還元型ビオローゲンの寿命は約1μsと長寿命であることがわかった。これらビオローゲン結合性ポルフィリンを用いた光水素発生が見られた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] T.Kamachi, T. Hiraishi and I. Okura: "Photoinduced hydrogen evolution with hydrogenase and cytochroes c 3" Chem. Lett.33-34 (1995)
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[Publications] S. Aono, S. Nemoto, A. Ohtaka and I. Okura: "Photoreduction of cytochrome c with zinc protoporphyrin reconstitued myoglobin" J. Mol. Catal. , A: Chemistry. 95. 193-196 (1995)
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[Publications] S. Aono, A. Ohtaka, and I. Okura: "The effect of chemical modification of zinc myoglogin on the photoinduced electron transfer with methylviologen" J. Mol. Catal. , A: Chemistry. 87-92 (1995)
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[Publications] J. Hirota and I. Okura: "Photoinduced intramolecular electron transfer in bisbiologen-linked porphyrin" Porphyrins. 3. 383-388 (1995)
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[Publications] Y. Amao and I. Okura: "Effect of cationic surfactant on photoinduced hydrogen evolution with hydrogenase" J.Mol. Catal. , A: Chemistry. 103. 69-71 (1995)
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[Publications] T. Nishisaka, T. Fukami and I. Okura: "Protoporphyrin and zinc protoporphyrin in the blood of tumor transplanted mice" Chem. Lett.325-326 (1995)
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[Publications] 大倉一郎(分担): "生物物理化学" 講談社サイエンティフィック, 250 (1995)
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[Publications] 大倉一郎(分担): "光がかわる触媒化学-光合成から環境化学まで-" 学会出版センター, 184 (1994)