1995 Fiscal Year Annual Research Report
有機電解合成におけるメディエーター反応の機構の解明
Project/Area Number |
07215260
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
松田 好晴 山口大学, 工学部, 教授 (90028986)
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Keywords | 有機電解合成 / メロディエーター / 修飾電極 / セリウムイオン / フラビン / キノン / ポリアニリン |
Research Abstract |
1 セリウムイオンメディエータ固定化電極の開発とベンジルアルコール類の酸化反応への適用 各種ベンジルアルコール類の電気化学的な酸化反応に対して,ナフィオン膜中にセリウムイオンを固定化した電極をメディエーターとして適用した結果,反応活性とアルデヒドとカルボン酸の生成物選択性は,基質であるアルコール類の酸化電位に依存することが判明した.さらにこの電極を用いてパラニトロベンジルアルコールのマクロ電解を行った結果,対応するパラニトロベンズアルデヒドが高い選択性で効率よく得られることが明らかになった。 2 有機溶媒中におけるアルコールの電気化学的酸化反応へのフラビン類縁体メディエータの適用 (1)アセトニトリル(MeCN)中,リボフラビンテトラアセテート(RF)をメディエーターとした系にさらにパラベンゾキノン類(Q)を共存させると,アルコール基質の電解酸化の速度が顕著に増大し,RFとQがダブルメディエーターとして作用することが明らかになった。 (2)水溶性フラビン類であるフラビンモノヌクレオチド(FMN)アニオンをポリピロール(PPy)重合時にドープさせ調製したFMN-PPy電極に,可視光照射を行いながらアノード分極を行ったところ,MeCN中のベンジルアルコールが選択的にベンズアルデヒドへ酸化されることが判った。 3 主鎖中にレドックス官能基を付与したポリマーメディエーターの開発 ポリ(2,5-ジヒドロキシアニリン)ポリマーフィルムは,2,5-ジメトキシアニリンの電解酸化重合により膜を得た後,メトキシ基を電気化学的に加水分解することにより調製可能であることが判った。この膜は水溶液中でヒドロキシノ/キノン型のレドックス応答を示した。さらにこの膜の電極メディエーション活性を検討した結果,水溶液中で[Fe(CN)_6]^<4->,Fe^<2+>,ならびに[Co(NH_3)_6]^<2+>の酸化反応に対し,活性を示すことが明らかとなった。
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[Publications] M.Morita,et al.: "Immobilization of a Cerium Redox Mediator on a Glassy Carbon Electrode for Electroorganic Reactions" Electroanalysis. (in press). (1996)
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[Publications] M.Morita,et al.: "Electrocatalytic Behavior of Poly (2,5-dihydroxyaniline) Synthesized by Electropolymerization in Aqueous Solutions" Bull.Chem.Soc.Jpn.68. 2207-2213 (1995)