1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07215271
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊藤 栄子 東京都立大学, 工学部, 教授 (20087307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山登 正文 東京都立大学, 工学部, 助手 (40244420)
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Keywords | 芳香族ポリマー / 反磁性 / 複合電極 / 電解重合 / 磁場 / オルトフェニレンジアミン |
Research Abstract |
芳香族化合物は反磁性を有することが知られている。本研究は芳香族化合物が持つ反磁性を利用して、異方性を持つ複合電極を作成することを目的とした。ベンゼンなどの芳香族化合物の分子は平面構造をしており、またπ電子系が存在するため、この分子面に対して平行と垂直方向では磁化率が異なる。すなわち、磁場の中では分子面が磁力線に対して平行であるときの方が安定である。本研究では、磁気異方性を持つモノマーを磁場中で電解重合を行った。その際、電極と磁力線のなす角度を90°と0°と変えて電解重合を行い、電極上の電解膜の分子鎖の配列状態を制御して異方性を持つ複合電極を作成した。 0.1M NaSO_4の支持電解質と0.1M H_2SO_4の酸性水溶液に50mMのオルトフェニレンジアミンを加えてものを電解液とした。この電解液を常温で電解重合し、磁場の有無及び電極と磁力線の成す角度の相違が電解膜の構造に与える影響をインピーダンス測定とAFM観察により考察した。インピーダンス測定の結果より、被覆電極膜の電荷移動抵抗は電極と磁力線の成す角度が90°の場合が一番大きく、次に磁場が無い場合で電極と磁力線の成す角度が0°の場合が一番小さく、電解重合時の電極と磁力線の成す角度と磁場の有無が膜の構造に影響を与えていることが明らかにされた。又、AFM観察の結果、磁場の有無及び電極と磁力線の成す角度の相違により電極上の折出膜の形態に著しい差が見られた。以上述べたように反磁性を有する芳香族モノマーの電解重合を磁場の中で行うと、電極と磁力線の成す角度により折出膜の構造を制御できることが明かになった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] S.ADACHI,M.YAMATO,T.KIMURA and E.ITO: "Impedance Spectra of a Complex Electrode Modified with Aromatic Polymer in a Magnetic Field" Reports on Progress in Polymer Physics in Japan. 38. 387-388 (1995)