1995 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化による大環状有機金属分子の構築とその分子認識機能を利用する反応場の設計
Project/Area Number |
07216215
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小倉 克之 千葉大学, 工学部, 教授 (60114253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 誠 千葉大学, 工学部, 助教授 (90209065)
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Keywords | カドミウム錯体 / パラジウム錯体 / 有機金属分子 / 大環状化合物 / カテナン / 三次元六核錯体 / はしご構造 / あみだ構造 |
Research Abstract |
本研究では、金属と配位子の弱い配位結合を利用した大環状有機金属分子の構築を行ったきたが、平成7年度の結果を以下の通りである。 1.キラルな自己集合性カテナン:(en)Pd(NO_3)_2(1)と配位子PyCH_2C_6H_4CH_2Py(2;Py=4-pyridl)の反応では環状構造[(en)Pd(μ-2)]_2が2分子でインターロックしたカテナンが自己集合する。錯体(1)と配位子PyCH_2C_6H_4Py(3)の反応においても、[2]カテナンが定量的に自己集合した。相当する単環との平衡は低濃度でも観測されず、[2]カテナンの構造が熱力学的に極めて安定であることが示された。 2.ナノスケール空孔を持つ三次元六核錯体:ナノメートルスケール構造の精密制御は、分子工学の基礎技術として注目を集めている。Py基を三個を2,4,6位に有するトリアジン誘導体を三座配位子として、錯体(1)とを2:3の比で反応させることにより、ナノメートルスケールに到達するアダマンタン型三次元構造の超分子が定量的に自己集合することを見いだした。この超分子は直径約10Aの球が内接する三次元空孔を有しており、内部空孔に4分子のアダマンタンカルボン酸陰イオンを包接することも明らかとなった。 3.貫通構造の"はしご"および"あみだ"錯体:配位子2およびそのテトラフルオロ誘導体と硝酸カドミウムの錯形成では、[Cd(L)1.5](NO_3)_2の組成を有する錯体が生成した。いずれの錯体においても、ピリジル基3つがCd(II)イオンにT字型に接続し、Cd原子は7配位構造をとっているが、このよく似たT字単位から、前者では無限はしご構造が、後者では無限あみだ構造が形成されていることがわかった。さらに、これらの結晶内では、独立した"はしご"および"あみだ"構造が互いに貫通しあっていることも明らかとなった。
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[Publications] Makoto Fujita: "A Molecular Lock." J. Am. Chem. Soc.117. 4175-4176 (1995)
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[Publications] Makoto Fujita: "Interpenetrating Molecular Ladders and Bricks" J. Am. Chem. Soc.117. 7287-7288 (1995)
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[Publications] Makoto Fujita: "Palladium(O)/LiClPromoted Cross-Coupling Reaction of (4-Pyridyl)stannanes and Aromatic Bromides: Easy Access to Poly(4-pyridyl)-Substitued Aromatics" Tetrahedron Lett.36. 5247-5250 (1995)
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[Publications] Akio Kayano: "Novel Synthesis of γ-Lactones Starting from β,γ-Unsaturated Carboxylic Esters." Bull. Chem. Soc. Jan.68. 3599-3609 (1995)
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[Publications] Katsuyuki Ogura: "Third-Order Nonlinear Optical Properties of Thiophene-based π-Conjiugated Organic Compounds With Terminal Ketene Dithioacetal S,S-Dioxide Groups." Nonlinear Optics. 13. 253-266 (1995)
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[Publications] Makoto Fujita: "Self-assembly of ten molecules into nonometre-sized organic host frameworks" Nature. 378. 467-471 (1995)