1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07216216
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
干鯛 眞信 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60011011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 洋一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (40193263)
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Keywords | キュバン型クラスター / 立体選択的付加 / ラクトン化 / クラスター触媒 / パラジウム |
Research Abstract |
遷移金属クラスターは複数の金属中心を持つため、単核錯体にはない多くの特徴を持ち、それらに基づく高度な触媒活性も期待できる。本研究では高い触媒活性を示す混合金属キュバン型クラスター錯体の分子設計、合成、機能開発を目的として以下の検討を行った。 まず、これまでに合成している8属貴金属を含む混合金属キュバン型クラスター[PdMo_3S_4Cl‐(C_6H_<15>N_3)_3][PF_6]_3(1,C_6H_<15>N_3=1,4,7‐triazacyclononane)の触媒機能開発に関しては、すでにアセチレンカルボン酸エステルへのアルコールの立体選択的付加を見出している。本研究ではアセチレンカルボン酸エステル、アミドなどへのカルボン酸類の付加を検討したところ、収率よく対応するZ‐3‐アシロキシアクリル酸エステル類を与えることを見出した。特にプロピオール酸エステルへの付加の反応は従来類似の反応で用いられている単核のパラジウム、ロジウム、ルテニウム錯体では進行せず、クラスター1に特徴的な反応である。また、ω‐アルキン酸の分子内環化にも1は高い活性を示し、アセトニトリル中での2、2‐ジメチル‐5‐ヘキシン酸の環化ではPdCl_2(PhCN)_2の17倍という高活性で対応するδ‐ラクトンを与えた。さらに、4‐ペンチン酸の環化によるγ‐ラクトンの生成ではではターンオーバー数は100000に達した。これらの反応では1のキュバン骨格が保たれていることも確認された。ここで見出された高度な活性は、パラジウムが4面体構造を取りつつキュバン型クラスターに取り込まれた1の特異な構造に基づくものであり、極めて興味深い。
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Research Products
(1 results)