1995 Fiscal Year Annual Research Report
ロジウム(I)錯体の新規補助配位子の開発とヒドロホルミル化における選択性の研究
Project/Area Number |
07216225
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山本 經二 東京工業大学, 工学部, 教授 (80025999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 隆行 東京工業大学, 工学部, 助手 (90212076)
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Keywords | ヒドロホルミル化 / ロジウム(I)触媒 / 不斉合成 / ジアステレオ選択性 / bite angle |
Research Abstract |
ヒドロホルミル化におけるRh(I)錯体は一酸化炭素の強い配位力のため5配位錯体が主要な触媒中間体と考えられる。二座配位子が中心金属となすbite angleを鍵因子に採りあげてneutral bite angle〜120°のエンド、エンド-2,5-二置換ビシクロ[3.3.0]オクタン骨格を基本とする光学活性な二座ホスフィンおよびホスファイト配位子を合成した。それらを含むRh(I)触媒前駆体によって行われるヒドロホルミル化での触媒活性および生成物アルデヒドにおける位置あるいは立体選択性を検討した。 ヒドロホルミル化の触媒活性と立体選択性: Rh(CO)_2(acac)+配位子の系を触媒前駆体としてスチレン、酢酸ビニルのヒドロホルミル化が、在来の反応条件より低温・低圧下で容易に進行し、かつ分岐アルデヒド生成の位置選択性も極めて高い。turnover rateに基づく触媒活性を測定して、ジエカトリアル位の2座配位子(bite angle〜120°)に優位性があるという作業仮説が成立することを示した。さらにこれらの基質では、高い分岐アルデヒド選択性を得たものの、不斉面選択性は不満足であったので、P(OPh)_2のフェニル基に代えてより嵩高いペンダントとしてビナフトールおよび6-メチル置換体を導入した。すなわち、(R, R)-ビシクロ[3.3.1]ヘプタン-1,5-ジオールと(S)-ビナフトールの組合せが錯体の不斉場を構成する上で重要であることが分かったので、このジアステレオマ-でのジホスファイトを含むRh(I)触媒によるスチレンのヒドロホルミル化を行ない最高42%eeの不斉誘起を観測した。ついでヒドロホルミル化が精密合成目的に用いられた例がほとんどなので、α-アルキル置換アリルアルコール型の基質におけるジアステレオ選択的ヒドロホルミル化を検討した。その結果、アリル位に分岐した嵩高いアルキル基があり、且つ水酸製を保護した基質について83%トレオ選択的にヒドロホルミル化を進行させることができた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 土井 隆行: "Chirality Transfer in Palladium Catalyzed Reactions of Allylammonium Salts" Tatrahedron: Asymmetry. 6. 389-392 (1995)
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[Publications] 川波 由紀夫: "Palladium-Catalyzed Hydrosilation of 1-Alkynes with Concomitant Dimerization to Form 1, 3-Dienylsilanes" Synlett. 1232-1234 (1995)
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[Publications] 土井 隆行: "Palladium(0)-Catalyzed Cyclization of 6-(2-Alkenyl)-2, 7-octadienyl Acetates with Novel Diastereofacial Selection" Synlett.
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[Publications] (in press). (1996)
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[Publications] 川波 由紀夫: "Rh(I)-Catalyzed Dehydrogenative Silylation of Divinylsilanes with Dimethylphenylsilane" Bull. Chem. Soc. Jpn.(in press). (1996)