1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07216231
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 健兒 名古屋大学, 工学部, 教授 (60023149)
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Keywords | 付加環化反応 / 錯体触媒 / ロジウム触媒 / ルテニウム触媒 / 有機ルテニウム錯体 / γ-ラクタム合成 / シクロヘキサジエン |
Research Abstract |
Diels-Alder反応に代表される[4+2]付加環化を選択的に進行させるには、ジエノフィルに電子吸引性置換基が必要であり、一般的なアルキンを基質とした場合には、苛酷な反応条件を必要とするため、位置選択性が悪いことに加え、脱水素による芳香族化をさけられなかった。本研究では、1,4-ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタンとシクロオクタジエンを配位子としてもつロジウム(I)カチオン錯体が、イソプレンをはじめとする共役ジエンと1-ヘプチンなど通常の末端アルキンとの[4+2]付加環化のきわめて効率的な触媒となり、温和な条件下にほぼ完全な位置選択性で、1,4-ジアルキル置換-1,3-シクロヘキサジエン誘導体を合成できることを明らかにした。このロジウム(I)カチオン活性種は、さらに1,6-ヘプタジイン誘導体とノルボルネンとの[2+2+2]付加環化によるビシクロ環化反応に対しても、有効な触媒作用を示すことも発見した。さらにロジウムの4核カルボニルクラスター錯体が、ホモプロパルギルアミン、一酸化炭素、ならびにアルキルシラン、相互間の三成分一段連結反応の良好な触媒となり、塩基存在下に、対応するα-(シリルメチレン)-γ-ラクタム骨格を一段階で構築できることを見いだした。例えば、o-エチニルアニリンからは、オキシインドール環が形成できた。 典型的なルテニウム(0)錯体である、Ru(1,5-シクロオクタジエン)(1,3,5-シクロオクタトリエン)における両者の8員環配位子が、2分子のプロピオール酸エステルと、[6+2]ならびに[2+2+2]二重付加環化し、新規なビシクロメタラサイクル・ルテニウム(II)錯体が生成すること、ならびにこのビシクロメタラサイクル錯体が、加熱により容易に炭素-水素結合活性化と再結合をおこし、対称構造をもつ新たなルテニウム・ビス(π-アリル)錯体に異性化することを発見し、その異性化機構を明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nishiyama,Hisao: "Chiral Ruthenium (II) -Bis (2-oxazolin-2-yl) pyridine Complexes.Asymmetric Catalytic Cyclopropanation of Olefins and Diazoacetates" Bull. Chem.Soc.Jap.68. 1247-1262 (1995)
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[Publications] 西山久雄: "光学活性ビスオキサゾリニルピリジン(PYBOX)ロジウム錯体を用いるケトンの不斉ヒドロシリル化" 有機合成化学協会誌. 53. 500-508 (1995)
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[Publications] Nagashima,Hideo: "Unusual Rate Enhancement in the RhCl(PPh_3)_3-Catalyzed Hydrosilylation by Organosilanes Having Two Si-H Groups at Appropriate Distances:" Organometallics. 14. 2868-2879 (1995)
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[Publications] Nishiyama,Hisao: "Formation of a Vinylcarbenene Complex of Chiral[Bis (4-isopropyloxazolin-2-yl) -pyridine]dichlororuthenium (II) from 3,3-Diphenylcyclopropene" Chem.Lett.599-600 (1995)
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[Publications] Nagashima,Hideo: "Selective Hydrogenation of Aromatic Hydrocarbons Using a Triruthenium Carbonyl Cluster as a Template to Control the Hydrogenation Site:" J.Am.Chem.Soc.118. 687-688 (1996)