1995 Fiscal Year Annual Research Report
新活性中間体シロキシカルバイン遷移金属錯体の発生と反応
Project/Area Number |
07216242
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
茶谷 直人 大阪大学, 工学部, 助教授 (30171953)
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Keywords | シロキシカルバイン / オキシカルバイン / 一酸化炭素 / アセチレン |
Research Abstract |
本研究はオキシカルバイン遷移金属錯体という新しい型の錯体を創製し、その単離とそれを含む新しい触媒反応を設計、開発することを目的とする。ルテニウム触媒存在下、ジインとヒドロシラン、一酸化炭素との反応から従来にない型の、一酸化炭素が連続して2分子取り込まれるという新しい反応をすでに報告した。今年度は、ジインの代わりにエン-イン、イン-ジエン、イン-アレンなどのようにアセチレン以外の炭素-炭素不飽和結合をもう一つ有するアセチレン類やイン-ニトリルやイン-イミンなど炭素-窒素多重結合を有するアセチレン類を用いてオキシカルバイン錯体およびジオキシアセチレン錯体の捕捉を試みた。 イン-ヒドラゾンを用いて同様にジオキシアセチレン錯体の捕捉反応を試みたところ期待された反応は進行しなかったが、新しい触媒的複素環構築反応を見いだすことができた。すなわち、イリジウムカルボニル錯体を触媒とし、イン-ヒドラゾン、ヒドロシラン、一酸化炭素と反応させると窒素を含む環状化合物が得られた。生成物中には一分子の一酸化炭素が取り込まれているが、その取り込まれた一酸化炭素はメチレンまで還元されている。 炭素鎖を一つ短くしても同様に窒素を含む環状化合物が構築されるが、収率はあまり良くなかった。アセチレン末端にメチル基を付けると全く反応が進行しなかった。
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