1995 Fiscal Year Annual Research Report
(トリオルガノメタロ)ビニルリン化合物の合成構造物性に関する研究
Project/Area Number |
07216256
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
南 享 九州工業大学, 工学部, 教授 (10029134)
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Keywords | シリルビニルホスホナ-ト / シリルジエニルホスホナ-ト / スタニルビニルホスホナ-ト / 高次置換チオフェン / クロスカップリング反応 / ホスホノアクリル酸ジチオエステル / 複素環化合物 |
Research Abstract |
α位及びβ位に典型金属のケイ素、ゲルマニウム、スズ等の官能基とアルキルチオ官能基を有するビニル及びジエニルホスホナ-トの創製に成功した。これらの化合物はオルガノメタル基、アルキルチオ基、ホスホノ基の特性を順次活用できることから、新しい合成手法の開発に繋がるものと期待できる。本研究では、この新規高機能試薬の反応性の解明と更にその合成化学的利用について検討を行った。 (1)1,2-ジアルキルチオ-2-オルガノメタロビニルホスホナ-トの合成に成功した。 (2)1,1,4,4-テトラエチルチオ-2-ホスホノ-3-オルガノメタロ-1,3-ブタジエンの合成に成功した。 (3)1,2-ジアルキルチオ-2-(トリブチルスタニル)ビニルリン化合物にパラジウム触媒存在下、酸クロリド、アリルハライド等の親電子剤を作用させることにより、2-位に親電子基が導入されたクロスカップリング生成物を高収率で得ることに成功した。 (4)1,1,4,4-テトラエチルチオ-2-ホスホノ-3-(トリメチルシリル)-1,3-ブタジエンに塩化アルミニウム存在下、アセチルクロリドを反応させたところ、アセチル、アルキルチオ、ホスホノ基を有するチオフェンを、高収率で合成することに成功した。ケイ素官能基を有さない1,1,4,4-テトラエチルチオ-2-ホスホノ-1,3-ブタジエンを同一条件下で処理したところ、1,1,4,4-テトラエチルチオ-3-アセチル-2-ホスホノ-1,3-ブタジエンが生成し、チオフェンは得られなかった。 (5)ホスホノケテンジチオアセタールから新規タイプのα-ホスホノアクリル酸ジチオエステルの合成に成功した。更にジチオエステル基を有する複素環化合物の合成への利用に成功した。 以上のごとく、本研究は初期の目的を達成したといえる。
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[Publications] T.Minami: "Development of Chiral Phosphine Ligands Bearing a Carboxyl Group and Their Application to Catalytic Asymmetric Reaction" Tetrahedron : Asymmetry. 6. 2469-2474 (1995)
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[Publications] Y.Okada: "Construction of α-Phosphonolactams via Rhodium (II) -Catalyzed Intramolecular C-H Insertion Reaction" Heteroatom Chem.6. 195-211 (1995)
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[Publications] J.Ichikawa: "Fluorine-Directed Nazarov Cyclizations : A Controlled Synthesis of Cross-Conjugated 2-Cyclopenten-1-ones" J.Org.Chem.60. 2320-2321 (1995)
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[Publications] T.Minami: "COMPREHENSIVE ORGANIC FUNCTIONAL GROUP TRANSFORMATIONS" A.R.Katritzky,O.Meth-Cohn,and C.W.Rees,Eds. ; Pergamon Press (in press), (1995)