1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07216257
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
平木 克磨 長崎大学, 工学部, 教授 (70011004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 博之 長崎大学, 海洋生産科学研究科, 助手 (80214667)
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Keywords | ルテニウム(II)錯体 / ヒドリドルテニウム(II)錯覚 / 芳香族ニトリル / N-イミドイルイミダト錯体 / アセトアミド / シクロメタル化錯体 / プロパルギルアルコール / 1-アルケニルルテニウム(II)錯体 |
Research Abstract |
1.ヒドリドルテニウム錯体と有機シアノ化合物の反応 有機ルテニウム錯体の反応性に関する研究の一環として、ヒドリドルテニウム(II)錯体[RuC1H (CO) (PPh_3)_3](1)と有機シアノ化合物との反応について研究を行った。1と含水芳香族ニトリルまたは1と芳香族アミド+芳香族ニトリルとの反応により、いずれもN-イミドイルイミダト型キレート錯体[RuC1{OC (R)=N-C (C_6H_4Me-P)NH}(CO) (PPh_3)_2](2a ; R=C_6H_4Me-P,20;R=C_6H_5)が生成することを明らかにした。 1と脂肪族アミド+芳香族ニトリルとの反応でも反応するN-イミドイルイミダト錯体(2C;R=CH_3)が生成することがわかった。なお、含水o-トルニトリルとの反応では、o-トルアミドのほかに特異的な構造をもつシクロメタン化錯体[Ru (C_6H_3Me-CH=N-C_6H_4Me-P) C1 (CO) (PPh_3)_2](3)が少量することがわかった。3が生成する機構については、引き続き検討が必要である。 2.ヒドリドルテニウム錯体とプロパルギルアルコール類との反応 錯体1はプロパルギルアルコール及び2-メチル-3-ブチン-2-オールと反応して、それぞれ五配位錯体[Ru (CH=CHCR_2OH) C1 (CO)-(PPh_3)_2] (R=H,4a ; R=CH_3、4b)を生成した。これらは溶液中でβ-水素を脱離し、一部もとのアルコールと1に戻った。CO存在下では、安定な6配位錯体[Ru (CH=CHCR_2OH) C1 (CO)_2 (PPh_3)_2] (R=H,5a ; R=CH_3,5b)を生じた。さらに、1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)共存下で反応させると、[Ru (CH=CHCR_2OH) C1(CO (dppp) (PPh_3)] (R=H,6a ; R=CH_3,6b)を生成した。原料錯体1と5bとの構造をX線構造解析によって確認した。殊に、1の結晶中にはホルミル錯体[Ru (η^1-CHO) C1-(PPh_3)_3]が約16%固溶体として含まれていることが注目される。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Katsuma Hiraki: "Formation of N-Imidoylimidatoruthenium (II) Complexes via Ruthenium-promoted Hydration of Nitriles." Journal of the Chemical Society,Dalton Transactions. (In press).
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[Publications] 平木克磨: "ルテニウム錯体による有機化合物の活性化と触媒反応" 有機合成化学協会誌. (印刷中).