1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07216261
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小澤 文幸 大阪市立大学, 工学部, 教授 (40134837)
|
Keywords | 触媒的シリル化反応 / 有機金属錯体 / シリル白金錯体 / 挿入反応 / ゲルミル白金錯体 / 還元的脱離反応 / ボリル白金錯体 / 1,2-シリル基転位 |
Research Abstract |
触媒的シリル化反応中間体の構造と反応性に関して,以下の研究成果を得た. 1.cis-およびtrans-PtMe(SiPh_3)(PMe_2Ph)_2(1,2)とアセチレンや一酸化炭素等の不飽和小分子との挿入反応について検討し,アセチレンは白金-ケイ素結合へ,一方、一酸化炭素やイソニトリルは白金-炭素結合へ,それぞれ元素特異的に挿入することを見いだした.また錯体の立体配置(シスおよびトランス)が錯体の挿入反応性を決定する重要な因子であることを見いだした.すなわち白金-ケイ素結合へのフェニルアセチレンの挿入反応ではシス錯体1のみが挿入反応性を示したのに対して,白金-炭素結合への挿入反応ではトランス錯体2がシス錯体1と比べて圧倒的に高い反応活性を示した. 2.cis-PtMe(GePh_3)(PMe_2Ph)_2(3)を合成し,そのX線結晶構造ならびに還元的脱離反応に対する反応性を対応するシリル(メチル)白金錯体(1)と比較検討した.反応速度論的検討により,錯体1および3はともにジフェニルアセチレン共存下においてPMe_2Ph配位子とジフェニルアセチレンの配位子交換反応によって生成する[PtMe(MPh_3)(PMe_2Ph)(PhC≡CPh]型中間体から還元的脱離反応を起こすことが分かった.またシリル錯体1の方が還元的脱離反応に対してはるかに活性であることを明らかにした. 3.ルテニウム触媒存在下,シリルアセチレンの1,2-シリル基転位を伴う新規触媒的環化カルボニル化反応を見いだした. 4.触媒的シリル化反応と類似の触媒的ボリル化反応中間体である,ビス(ボリル)白金錯体を合成単離し,そのX線結晶構造を明らかにした.
|
-
[Publications] 疋田 敏彦: "A Remarkable Difference in the Reactivity between cis-and trans-Silylplatinum Complexes toward Insertion of Acetylene" Chem.Lett.985-986 (1995)
-
[Publications] 鬼塚 清孝: "Ruthenium-catalysed Cyclocarbonylation of 1,1-Bis(silylethynyl)ferrocene involving the 1,2-Migration of a Silyl Group" J.Chem.Soc.,Chem,Commun.2267-2268 (1995)
-
[Publications] 石山 竜生: "Platinum(0)-Catalyzed Diboration of Alkynes with Tetrakis(alkoxo)diborons:An Efficient and Convenient Approach to cis-Bis(boryl)alkens" Organometallics. 15. 713-720 (1996)