1995 Fiscal Year Annual Research Report
水素ラジカルによって誘起される水素終端Si(111)表面及びSi原子層の構造変化
Project/Area Number |
07217217
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
馬来 国弼 横浜市立大学, 理学部, 教授 (50046091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重田 諭吉 横浜市立大学, 理学部, 助教授 (70106293)
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Keywords | Si(111)-7×7 / MBE成長初期過程 / 二次元Si島の形 / RHEED振動 / STM観察 / 構造緩和過程 |
Research Abstract |
Si(111)-7×7基板表面上に水素ラジカル(水素分子をタングステンフィラメントによって加熱して生成する)を供給して,(ア)基板表面の7×7構造が1×1構造に変化する過程,(イ)その1×1構造の上に水素ラジカルを供給したときに誘起される構造変化,(ウ)また,Si原子層を水素ラジカルを供給しながら成長させたときに起こる構造変化を観察して水素ラジカルの役割を考察することを目的とした。そのために,平成6年度までに調べていたSi(111)-7×7基板表面上に直接Si層を成長させた場合の結果と逐一比較・考察することを意図した。そこで,その再現性を確認している際に成長中の構造緩和過程を明りょうに示す結果が得られたので,本研究の最終目標である成長中の構造緩和過程を解明するためにそれらの結果を集積することに努めた。 成長をRHEEDの鏡面反射強度を監視しながら380℃に維持したSi(111)-7×7表面上に約0.1BL(1BL=0.31nm)の厚さのSi層を成長させた後に時間t_Rだけその温度に維持した。その後室温に下げ表面構造をSTMで観察した。 t_R≒0,30s,60s,600sの条件で作成した表面を観察し,次のような結果が得られた;すべて<110>で縁取られた三角形状の二次元の島に加えてそれよりサイズの小さな島が成長;サイズの小さな島はt_Rが小さいほど形に規則性が見られないが1BLの高さをもち,7×7構造の[112]方向に沿ったダイマー列のほぼ中央に成長し,t_R=600sでは7×7構造の一つのコーナーホールを中心に3つの5×5構造から構成される円形状の島に成長する。このような島の形状の変化は,島を構成している原子の島からの脱離とその表面拡散が起こっていることを示唆するが,そのような動的過程は成長中は供給される蒸発Si原子が構造形成に関わるために環境温度に応じて凍結される,ことがあるものと考えられる。水素終端表面では,その凍結が解除される役割を果たすものと考えて現在研究を続けている。
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[Publications] Y.Shigeta,J.Endo and K.Maki: "Scanning-tunneling-microscopy study of surface Morphology at the initial growth stage of Si on a Si(111)-7×7" Physical Review B. 51. 2021-2024 (1995)
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[Publications] Y.Shigeta,J.Endo and K.Maki: "A characteristic feature of crystalline thin-film growth of Si on a Si(111)-7×7" Journal of Crystal Growth. (印刷中). (1996)
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[Publications] Y.Shigeta,J.Endo,H.Fujino and K.Maki: "Roughning of the surface of an Si layer grown on a Si(111)-7×7 superlattice" Surface Science. (印刷中). (1996)