1995 Fiscal Year Annual Research Report
CVD製膜における微小温度勾配が製膜速度と物性に及ぼす効果
Project/Area Number |
07219204
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
霜垣 幸浩 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60192613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江頭 靖幸 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (70223633)
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Keywords | CVD法 / SiO_2 |
Research Abstract |
本研究では、CVDプロセスにおいて基板近傍の温度勾配によって製膜速度および薄膜の物性がどの様に変化するかを、WF_6とシラン系ガスによるWsix薄膜合成系、および、TiCl_4/NH_3を原料とするTiN薄膜合成系において検討した。 CVDプロセスは気体原料を熱、プラズマ、光などを励起源として反応させ、固体表面上に薄膜を形成する技術である。申請者は、その反応機構の本質を把握することがCVDプロセスの製造工学としての体系化を検討する上で重要と考え、特に熱CVDプロセスにおいて反応工学的にメカニズム解析を行ってきた。その結果、CVDプロセス設計においては、気相での活性な中間体生成反応を制御することが1つのキ-ポイントであると結論するに至った。 実際に気相反応を制御するには生成する活性種の濃度を制御するために気相反応のおこる体積を制御する、あるいは活性種と選択的に反応するガスを添付するなどの手法が有効であると思われる。従って、本研究では気相でのラジカル連鎖反応による中間生成反応が顕著である反応系において、反応場の温度分布を制御することによって気相反応領域を制御し、それにより製膜速度、膜組成などのプロセスパラメータがどの様に変化するかを考察し、シミュレーションと実験結果の対応もふまえて、より理想的な反応設計への指針を得ることを目的とした。CVD製膜における基板近傍の温度勾配の影響について検討された例は極めて少なく、本研究によりその影響が体系的に整理されれば、今まで反応機構との関連が良く理解されていなかった膜質に関する議論に有効な指針を与えるものと期待される。
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