1995 Fiscal Year Annual Research Report
軌道X線天文台における光学ベンチの熱・重力歪みの研究
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07222213
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
伊藤 真之 神戸大学, 発達科学部, 助教授 (40213087)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 一 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (40092142)
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Keywords | X線天文衛星 / スペース・アストロノミー / 人工衛星 / 光学ベンチ / X線望遠鏡 / 熱歪み / 構造解析 |
Research Abstract |
本年度の研究においては、「あすか」衛生の軌道上および地上試験時に取得したデータの再評価を行い,光学ベンチの歪みの性質を調べる作業が中心となった。これまでに得られた知見と今後の課題は以下のようにまとめらる。 1 星姿勢計と慣性基準装置間のアラインメントが衛生の日照・日陰時で0.1分角程度変化する。これは衛星温度分布の変化に伴う熱歪みが原因と考えられるが,衛星構体の計算モデルを用いた変形量の予測は,実際に軌道上のデータから推定される変形に対して小さく,定量的説明は未解決である。「あすか」の場合,星姿勢計がX線望遠鏡の光学ベンチに対して剛な形の取り付けとなっていなかったことが姿勢安定精度を低下させた。次期X線天文衛生ASTRO-Eの設計においては,この点が考慮されている。 2 上記のアライメント変動には,光学ベンチの熱歪みとそれ以外の衛生構体や星姿勢計支持構造などの歪みなどが含まれているが,光学ベンチ単独の歪みは分離できていない。 3 「あすか」の軌道上の較正から,4台の望遠鏡の光軸相互の間に【minus-plus】2.5分角程度のずれがあることがわかった。これは,望遠鏡が取り付けられている光学ベンチの上部プレートの歪みによるものと考えられる。地上較正時には相互のずれは1分角程度以内であるという結果が得られており,この相違の原因として,地上較正時の重力に対する補正方法の問題,衛星打ち上げ時の変形などが考えられているが結論には至っていな ASTRO-Eでは上部プレートをより剛な構造にするほか,プレートのもつ固有の歪みの測定法などの検討がすすめられている。
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