1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07222214
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
三原 建弘 理化学研究所, 宇宙放射線研究室, 研究員 (20260200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 勝 理化学研究所, 宇宙放射線研, 主任研究員 (30013668)
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Keywords | 活動銀河 / X線観測 / 吸収構造 |
Research Abstract |
X線天文衛星「あすか」で観測した活動銀河核、NGC7469,NGC4051,NGC4151,MCG-6-30-15,S5 0014+813の5つデータを解析し新しいX線スペクトルの性質を明かにした。前4つのセイフィート銀河の顕著な性質の1つとして、軟X線にある高電離酸素(OVII,OVIII)の吸収端スペクトルの解析から100万度程度の高温のガスが活動銀河核のまわりに存在することが共通して言えることである。そしてこのガスは数時間のタイムスケールで変動していることも明かにした。第2に、X線スペクトルは単純でなく、高温ガスから直接放射される成分に加え濃いガスで散乱される成分があることを明かにした。第3に鉄のKX線輝線は6.4keVのエネルギーの狭い幅に加え幅0.2-0.5keVの幅の広い成分があることを見つけた。このように活動銀河核でも光度の低い範疇にはいるセイファート銀河の中心核の全貌が解かりかけてきた。 一方、遠方のクエサ-S5 0014+813のX線スペクトルの解析からX線光度の大きいこれらのクエサ-のスペクトルは、所謂、宇宙X線背景放射のスペクトルよりスティープであることがわかった。このため、X線光度がある値以上に大きいクエサ-は宇宙X線の背景放射の構成天体としては除かれることが解かってきた。そして、宇宙X線背景放射に寄与する天体としてはセイファート銀河のような低光度の活動銀河の可能性が高くなった。 この研究を通し国際協力でデータ解析をし、データ解析の信頼度を高め、論文のまとめでは緊密な討論を直接または電子メールで行なったことも成果の一つと言えよう。
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[Publications] R. F. Mushotzky, M. Matsuoka 他: "Detection of broad iron Klines in active gelaxes" Mon. Not. R. Astron. Soc.272. L9-L12 (1995)
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[Publications] Y. Tanaka, M. Matsuoka 他: "Gravitationally redshifted emission implying an accretion disk and massive black hole in AGN" Nature. 375. 659-660 (1965)
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[Publications] M. Coppi, T. Mihara, M. Matsuoka: "Warm absorption, reflection, and Fekline in the X-ray spectram of IC 4329A" Astrophys. Journal. 458. 149-159 (1996)
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[Publications] M. Cappi, T. Mihara, M. Matsuoka 他: "Is the X-ray spectram of the Seyfert 2 galaxy NGC5252 intrinsically flat?" Astrophys. Journal. 457. 1020-1031 (1996)