1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07223212
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
高原 まり子 同志社女子大学, 学芸学部, 助教授 (00197196)
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Keywords | 超新星爆発 / 高密度核物質 / 状態方程式 |
Research Abstract |
星の進化の最終段階である超新星爆発は、天文学のみならず、核物理学においても非常に興味深い現象である。それは、超新星物質の状態方程式を通して、地上の実験と共に核物質の理論を研究・検証するための絶好の機械を与えてくれるからである。一方、超新星爆発の理論は、SN1987Aからのニュートリノの検出によって大筋では正しいことが証明されたが、現在もその爆発機構を明らかにできずにいる。 最近になって、核物質の状態方程式が超新星爆発に重要であることが指摘され、それに刺激されて核物質の理論的研究が進んだ。その結果、超新星物質の現実的な状態方程式が計算されるようになった。更に、以前から、最も高密度になるコアの中心部分では、パイオン凝縮やフォーク物質等への相転移の起こることが指摘されており、相転移を考慮した状態方程式の計算も進んできた。 本研究の目的は、新しく計算された超新星物質の状態方程式が超新星の爆発過程に与える影響を調べ、超新星の物理を明らかにすると共に、現在の混迷した理論の現状を打開し、超新星の爆発機構を解明することにある。 研究は、すべて数値シミュレーションによる。平成7年度は、小型のワークステーションを導入して研究環境を整備し、プログラムの開発と数値シミュレーショを行う準備をした。現実的な超新星物質の状態方程式や、相転移のある場合の状態方程式の性質を調べることは既に終了したので、現在、それらを用いて超新星爆発のシミュレーションを行う準備を進めてする。特に、ニュートリノ輸送と電子捕獲反応の計算プログラムの開発中であり、完成後、シミュレーションに取り組む予定である。
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Research Products
(1 results)