1995 Fiscal Year Annual Research Report
時分割X線結晶解析のための新しいCagedヌクレオチドの開発
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07224212
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
古田 寿昭 東邦大学, 理学部, 講師 (90231571)
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Keywords | 時分割ラウ工法 / 7α-ヒドロキシステロイド脱水素酵素 / コール酸 / Caged基質 / 光反応性 |
Research Abstract |
7年度の研究の当初の目的は、cAMPを基質とする酵素(C-キナーゼ、フォスフォジエステラーゼなど)の時分割X線解析に、我々が開発したCaged cAMPを用いていくことであったが、結晶解析の進み具合からいってこれは現実的ではなかった。そこで三井先生・野中先生のグループと共同で7α-ヒドロキシステロイド脱水素酵素(以下7α-HSDH)をターゲットにしこれのCaged基質を開発することを目標に研究を行った。7α-HSDHの基質はコール酸類である。反応点は7位の水酸基であり、これを光分解性の保護基で保護したものが最も望ましいのでまずこれをターゲットとした。水酸基の光分解性保護基として知られているものは非常に少なく、安定性と保護基の大きさを考えると、ファーストチョイスとしては2-ニトロベンジルエーテルしかない。しかし7位は立体障害が大きく、これを修飾するのは非常に難しいことがわかった。そこでまず3位を2-ニトロベンジルエーテルで保護したケノデオキシコール酸、グリコケノデオキシコール酸及びコール酸のCaged化合物を合成した。このうち7α-HSDHの結晶化溶媒に対して最も溶解度の高かったコール酸のCaged化合物(1)について、光反応性と溶液中での酵素反応性を調べた。その結果、1はメタノール中及びトリス緩衝液中で350nm光照射によって量子収率0.7で分解し定量的にコール酸を生成した。また1の7α-HSDHに対する溶液中での活性を調べたところ、コール酸の数%程度であり、更にこの溶液に光照射すると酵素反応が進行することも確かめた。1の精製の度合等考慮にいれると充分Caged基質として用い得ると考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T. Furuta: "Activation of Selenoglycoside by Photoinduced Electron Transfer." Chemical Communications. 157-158 (1996)
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[Publications] M. Odaka: "Synthesis of Caged Compounds of L-leucyl- L-leucine Methyl Ester, an Apoptosis Inducer, and Their Cytotoxic Activity." Biochem. Biophys. Res. Commun.213. 652-656 (1995)
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[Publications] T. Furuta: "Photochemical Properties of New Photolabile cAMP Derivatives in a Physiological Saline Solution." Journal of Organic Chemistry. 60. 3953-3956 (1995)
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[Publications] S. Okada: "(1-Pyrenyl)methyl Carbamates for Fluorescent “Caged" Amino Acids and Peptides." Photochemistry and Photobiology. 61. 431-434 (1995)