1995 Fiscal Year Annual Research Report
電界放射トンネル電子線時間分解法によるC_<60>等の単一分子の振動特性の研究
Project/Area Number |
07225215
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡鍋 文哉 九州大学, 工学部, 講師 (30264063)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本岡 輝昭 九州大学, 工学部, 教授 (50219979)
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Keywords | 表面科学 / 電子線放射 / FIM / FEM / 表面物性 / 拡散 |
Research Abstract |
本年度はトンネル電子線をフォムト秒台で時間分解するため、基本装置、フェムトセコンドフィールドエミッションカメラ、を開発した。まず、通常の電界放射顕微鏡を作成し、超高真空用チャンバーに取り付けた。チップはタングステン(W)とシリコン(Si)を用いた。Wは0.10mmワイヤを1規定のNaOH溶液中で直流電界研磨した。Siは融解NaOHによって研磨した。これらのチップをガラス製のコールドフィンガーに取り付け、液体窒素温度で例絵客可能とした。時間分解に適した電界放射線源用電子レンズを設計・製作した。高電圧での放電を防ぐため、真空装置内でこのレンズの焼き入れを行った。電子レンズはE1-Gomatiらの2電極デザインを基にして作成した。ビーム系0.05cm以下でのフォーカスが得られた。高圧電源(+15kV・-3kV2機種)をモジュールから作製した。マイクロ波電源を用いての電子線スイ-ピングを試みるため、インピーダンスを考慮した真空装置用高電圧マイクロ波導入線を作成した。マクロ分子をチップへ蒸着させるため、バスケットタイプの真空用坩堝からの蒸着、吸着を行った。銅フタロシアニンは室温では非常に低い蒸気圧を持ち、真空蒸着に適している温度(約800-1000℃)でも分子構造は安定しているため、Wチップへの吸着はコントロールしやすいことを確認した。ベンゾニトリル・アセトニトリル等のマクロ分子やセシウムナトリウム等のアルカリ金属も吸着させた。また、高電圧を架けることにより、吸着した分子は容易に脱離し、加熱後、チップはもとの状態に復帰する。チップサブストレートの原子像観察を行うため電界イオン顕微鏡機能も取り付けた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] F. Watanabe, G. M. McClelland: "Field Emssion Switch" Applied Physics Letter. 67. 3200-3202 (1995)
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[Publications] F. Watanabe, G. M. McClelland: "The Fentosecond Field Emission Camera, a Device for continuous Observation of the Mohon of Indiviclual Ackorbed Atmc and Molecules" IBM Journal of Research & Development. 39. 669-678 (1995)