1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07228217
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
疋田 巧 東京工業大学, 理学部, 教授 (60016144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松下 慶寿 東京工業大学, 理学部, 助手 (80240753)
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Keywords | 超臨界流体 / 芳香族分子 / エキシマー / 二量体 / りん光 |
Research Abstract |
CO_2超臨界流体中でピレン及びテトラセンの吸収スペクトル、発光スペクトル等の測定より、これら芳香族分子の分散状態について、以下のことが明らかになった。 1.ピレン 1)通常の条件下でのピレンと同様な振動構造を持った吸収スペクトルが観測された。その溶解度は約10^<-6>Mであった。 2)ピレンモノマーの発光強度はほぼ吸光量に比例しているが、 3)エキシマー蛍光と思われる500nmの発光の強度は吸光量に関係なくほぼ一定である。 2.テトラセン 1)通常の条件下でのテトラセンと同様な振動構造を持った吸収スペクトルいるが観測された。その溶解度は約10^<-6>Mであったが、 2)525nmにの2量体のものと思われるブロードな吸収帯が観測された。 3.2-クロロナフサレン 1)吸収スペクトルは通常の溶液とほぼ同じものが観測された。溶解度は約10^<-5>Mである。 2)300nmから400nmに強く蛍光が現れれ、その量子収率は約0.5であった 3)430nmから600nm付近に量子収率約10^<-4>の弱いりん光が観測された。 以上のように、10^<-5>Mという極く低濃度でもエキシマーや会合体が見られたり、りん光が比較的大きな量子収率で観測される等、CO_2超臨界流体は溶質である芳香族分子を均一に溶解しておらず、局部的に高濃度の部位が分散した状態にあリ、溶質分子と強く相互作用しているものと結論した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 井出陽一郎: "Vibrational Energy Dependence of Nonradiative Decay Rate: Triplet Benzene Studied by Time-Resolved and Steady-State Photosensitized Phosphorescence" Physical Clemistry. 194. 159-166 (1995)
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[Publications] 彦坂泰正: "Electronic Energy Relaxation of Benzophenone Vapor" Physical Clemistry. 203. 137-142 (1996)
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[Publications] 塚本浩史: "Absorption Spectra of Pyrene in Bovine Serum Albumin and Caffein Aqueous Solutions" Journal of Photochemistry and Photo biology. (in press).