1995 Fiscal Year Annual Research Report
光化学をプローブとする層状固体表面での分子配向の制御と設計
Project/Area Number |
07228229
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
沢木 泰彦 名古屋大学, 工学部, 教授 (30023120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 克彦 名古屋大学, 工学部, 助教授 (60023264)
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Keywords | ハイドロタルサイト / 層状空間 / 光シクロ二量化 / エキシマー / 位置選択性 / 励起一重項 / 逆平行配向 / 固体光化学 |
Research Abstract |
はじめに 本研究計画では、粘土層間に吸着した分子個々のコンフォメーションの検討、それらの分子集合体としての配向挙動を既知の光化学反応をプローブとして解明し、粘土あるいは修飾粘土を光化学反応媒体として利用する方法論を検討した。 実験 粘土鉱物としては、協和化学工業KK製ハイドロタルサイト(アニオン交換容量、350meq/g)を用いた。オレフィンカルボン酸やベンゾフェノンカルボン酸の粘土へのインターカレーションはゲスト分子の水溶液と粘土粉末を70℃で一夜加熱撹拌して行った。光照射は、試料を水に懸濁し、パイレックスフィルターを通して高圧水銀ランプで行う。反応後、濃塩酸で粘土を分解後ジアゾメタンでエステル化して塩化メチレンで抽出、クロマト分析する。吸着粘土粉末のX線回折、吸収・発光スペクトル分析により、吸着状態を解析した。 結果と考察 ジフェニルベンゾフェノンカルボン酸を増感剤としてスチルベンカルボン酸の異性化を行うと、溶液中でのシス体収率は67%だが、粘土に吸着させると17%と大きく低下する。増感剤のETは約63kcal/molでシス体(約50kcal/mol)、トランス体(約60kcal/mol)のいずれの異性体へも三重項エネルギー移動が可能である。したがって、粘土層間では吸着分子の自由空間の制約により、シス体への異性化が起こり難くなった。次に、桂皮酸やスチルベンカルボン酸を粘土層間に吸着させて、直接光照射すると、高効率・高選択的な光シクロ二量化が観察される。エキシマー経由の光二量化が起こり、syn-HHとsyn-HT二量体が得られる。基質の種類、交換容量、共吸着物の有無によりその選択性は制御可能であり、吸着配向を反映した二量体を与える。また、ベンゾフェノンカルボン酸を共存させて桂皮酸の光増感反応を行うと、エキシマー経由と同様の生成物であるsyn-HH二量体を与える。この二量体の生成は興味深く、芳香族ケトンの励起一重項による増感が起こったものである。この過程の直接観測を今後行えば、直接の証拠が得られる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] K.Takagi: "Photochromic Behaviour of Surfactant Spiro [2H-1-benzopyran-2,2^1-[2,3]-dihydroindole] (Spiropyrans) Adsorbed into Clay Interlayers" J.Chem.Soc.Perkin Trans.2. 1667-1671 (1995)
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[Publications] T.Imae: "Photocyclodimerization of Cinnamic Acid on a Reaction Matrix : Structural Effect of Molecular Assemblies Constructed by Amphiphilic Compounds" J.Phys.Chem.99. 6046-6053 (1995)
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[Publications] T.Imae: "Self-assemly Formation of Amphiphilic Molecules Mixed Photoreactive,Aromatic Unsaturated Acids : Examination by Light Scattering" Colloid Plym.Sci.273. 579-583 (1995)
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[Publications] 高木克彦: "層状静電場での配向制御と光化学反応" 表面, 8 (1996)