1995 Fiscal Year Annual Research Report
高分子半導体不均一光触媒界面における光誘起多電子還元反応
Project/Area Number |
07228246
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和田 雄二 大阪大学, 工学部, 助教授 (40182985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村越 敬 大阪大学, 工学部, 助手 (40241301)
柳田 祥三 大阪大学, 工学部, 教授 (10029126)
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Keywords | 有機半導体 / 芳香族鎖状高分子 / 電子移動 / 光触媒 / ポリパラフェニレン / ポリピリジン / CO_2固定 / 不均一界面 |
Research Abstract |
1.ポリパラフェニレン(PPP)界面に生成するカルバニオン中間体の反応性 可視光駆動光触媒としてPPPを用い、ベンゾフェノンのα位炭素にCO_2の挿入反応を詳細に検討した。このCO_2固定系では、ベンゾフェノンの連続的2電子還元によって生成したカルバニオン中間体にCO_2が挿入していることを強く示唆する生成物として、1,1-ジフェニル-1,2-プロパンジオールが確認された。この化合物は電子供与体であるトリエチルアミンの酸化生成物であるアセトアルデヒドとカルバニオン中間体のカップリングから生成する。 2.多電子還元の活性種としてのバイポーラロンの検出 ナトリウム金属還元によるPPP骨格中におけるバイポーラロン生成をEPRにより確認した。上記反応の触媒活性種はPPP骨格中に光化学的に生成するバイポーラロンであり、この化学種がベンゾフェノンからカルバニオンへの多電子還元を可能にしていることが示唆された。 3.オリゴピリジンによるPPy可視光駆動光触媒機構の検討 可視光駆動光還元触媒能を発現するポリピリジン-2,5-ジイルの機構解明を目的とし、ピリジンの3および4量体を合成し、その光化学的挙動を詳細に検討した。その結果、オリゴポリジンは対応するオリゴフェニレンに比較して高い水還元水素発生活性を発現し、これは3重項励起状態からの高効率なアニオンラジカル生成が原因であることがわかった。また、アニオンラジカルからのプロトン付加体生成が確認され、PPy光触媒作用におけるヒドリド中間体の還元活性種としての働きが示唆された。
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[Publications] Takayuki Kitamura et al.: "Photo-splitting of Water to Dihydrogen and Hydroxyl Radicals Catalyzed by Rhodium-deposited Perfluorated Poly(P-Phenylene)" J. Chem. Soc.,Chem. Comm. 2189-2190 (1995)
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[Publications] Tomoyuki Ogata et al.: "Phenazine-Photosensitized Reduction of CO_2 Mediated by a Cobalt- Cyclam Complex Through Electron and Hydrogen Transfer" J. Phys. Chem.99. 11916-11922 (1995)
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[Publications] 和田雄二 et al.: "分子軌道法による有機光触媒の解析・設計" CICSJ Bulletin. 13. 28-31 (1995)
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[Publications] 和田雄二 et al.: "水分子を酸化できる有機光触媒" 生産技術誌. 47. 36-39 (1995)