1995 Fiscal Year Annual Research Report
人工複合糖質高分子による超分子構造の形成と精密認識機能の促進
Project/Area Number |
07229222
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 一清 名古屋大学, 農学部, 助教授 (10023483)
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Keywords | 人工複合糖質高分子 / 超分子 / 精密認識 / 生体機能材料 / 高分子効果 / 糖鎖工学 |
Research Abstract |
糖鎖および高分子の両方の特性を活用して、糖鎖を高密度に配向・配列させて、糖鎖のもつ特有の動的精密構造認識の促進を図るとともに、低分子物質とは異なった生物機能の発現を目指す。そのために構造が規制された「糖鎖高分子」や「枝分かれ高分子」を設計し、超分子構造に基づく生物認識機能を探求する。本年度は新規糖鎖高分子に焦点を当てて報告する。 1.N-グリコシル化反応を活用する新規糖鎖高分子の合成 N-アセチルラクトサミン、N-アセチルアロラクトサミン、およびガラクトシルラクトースにこの手法を適用させた。オリゴ糖のヒドロキシル基を保護することなく、one-potの簡単な方法で立体規則性の糖質ビニル化合物を合成できたことになる。オリゴ糖の還元性末端がp-ビニルベンズアミドとβ-アノマー型でN-グリコシド結合していることを^1H-NMRおよび^<13>C-NMRにより確認した。 2.レクチンとの相互作用における高分子効果の発現 糖鎖高分子のレクチンに対する認識作用を明らかにすることは、生命を細胞レベルで考察する上で重要な知見をもたらすとともに、細胞機能を生体の内外で利用する基礎的な情報を与えることを期待できる。本研究で得た糖鎖高分子も含め、数種類の人工複合糖質高分子について、(a)ゲル内二重拡散法、(b)赤血球凝集阻害試験、(c)酵素結合レクチン測定、(d)蛍光分光分析を行うことでレクチンとの相互作用を検討した。その結果、低分子物質とは異なった特有の動的精密構造認識を発現することが分かった。このように、糖質および高分子の両方の特性を活用することで、新しい生理・薬理活性物質や生体機能材料を創出することが可能である。本研究で得た人工複合糖質高分子は、細胞表面のレクチンを解析するための糖鎖プローブ材料として、また、細胞培養基質材料としても非常に有用なものと期待している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Yura: "Structural Effect of Galactose Residue in Synthetic Glyco-conjugates on Interaction with Rat Hepatocytes" J.Biomed.Biomater,Res.29. 1557-1565 (1995)
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[Publications] K.Kanno: "Synthesis Stereoregular Polysaccharide Derivatives Carrying 2,3-Di-O-alkyl Chaines" Polymer,J.27. 911-916 (1995)
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[Publications] K.Kobayashi: "Biological Functions of Synthetic Polysaccharides" Macromol.Symp.,“Special Issue on Japanese-German Seminar on Functional Polysaccharides. 99. 157-167 (1995)
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[Publications] A.Kobayashi: "Polymer Biomaterials in Solution,as Interfaces and as Solids" VSP, 18 (1995)
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[Publications] 小林一清: "新タンパク質応用工学" フジテクノシステム, 7 (1996)