1995 Fiscal Year Annual Research Report
クエン酸錯体法によるイットリウム族希土類リン酸塩微粉末の調製と材料物性
Project/Area Number |
07230241
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
引地 康夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (10024275)
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Keywords | 希土類元素 / リン酸塩 / 錯体 / 粉末調製 / 焼結 / ラブドフェン / ゼノタイム / 物性 |
Research Abstract |
1.研究目的:本研究は、クエン酸錯体法によるイットリウム族希土類リン酸塩微粉末の調製方法、焼結体の作製および材料物性(熱的、機械的、化学的、電気的性質)の解明を目的として実験を行なった。 2.研究成果:0.05モル/Lの希土類硝酸塩水溶液(R=Y、Er、YbおよびLu)にモル比(クエン酸/R、以下C/R比)が5〜30となるように無水クエン酸を添加し、希釈塩酸またはアンモニア水で溶液のpHを3〜7に調節した(混合溶液A)。希土類錯体が形成されているので、混合溶液AはpH3〜7の範囲で透明であった。別に0.8モル/Lのリン酸水素2アンモニウム水溶液を用意し、溶液のpHを3〜7に調節し、モル比(PO_4/R)が4となるように混合溶液Aに添加し、2時間攪拌した(混合溶液B)。攪拌後、混合溶液Bを三角フラスコに入れて密栓し、ときどきpHを調べながら90℃で1日〜30日保持した。イットリウム族希土類リン酸塩鉱物には、チャーチアイトとゼノタイムの2種類がある。本研究でもチャーチアイトとゼノタイムが得られたが、pH7ではラブドフェンが得られた。ラブドフェンはセリウム族希土類リン酸塩に特徴的な鉱物であるので、イットリウム族からなるラブドフェンは新種である。クエン酸錯体法で得られる希土類リン酸塩は約10nm程度であるが、これらが凝集し、0.5〜1μm程度の球状単分散粒子となっている。1500℃で2時間焼結させた試料の溶融凝固点(℃)は、1844°(Y)及び1817°(Er)であり、熱膨張係数(10^<-6>/℃)は、6.90(Y)、5.75(Er)、5.98(Yb)であった。その他の物性については現在検討中である。
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Research Products
(1 results)