1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07230245
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八尾 健 京都大学, 工学研究科, 教授 (50115953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 稔 京都大学, 工学研究科, 助手 (80243046)
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Keywords | ペロブスカイト型 / 混合導電性 / 希土類 / リ-トベルト法 / EXAFS / X線回折 / 結晶構造解析 / 配位数 |
Research Abstract |
イオン導電性と電子導電性を併せ持つ混合導電性ペロブスカイト型酸化物の精密な機能制御のためには、希土類の種類、組成が希土類の酸素配位に及ぼす影響を、詳細に解明することが重要である。ペロブスカイト型構造には、陽イオンの入り得るサイトが、12配位のAサイトと6配位のBサイトの2種類ある。同一の希土類金属Yを含むもので、Yが相対的に大きくなるY-Cr、及びYが相対的に小さくなるY-Laの2種類の組み合わせでペロブスカイト型結晶を、酸化イットリウムと酸化クロムあるいは酸化ランタンを用いて焼成した。粉末XRD測定を行い、リ-トベルト法による結晶構造解析を行った。また、本学超強力X線回折実験室において、EXAFSの測定を行った、解析の結果、YCrO_3では、Yが全てAサイトを占めるのに対し、YLaO_3では、Yが全てBサイトを占めるという結果が得られた。以上の結果より、同じ希土類イオンであっても、その半径が相対的に大きい場合はAサイトを占め、逆に相対的に小さくなるとBサイトを占めることが明らかになった。よって、種々のイオン半径を持つ希土類イオンを組み合わせ、同じ希土類イオンが同時に異なるサイトを占める構造を作ることができれば、格子のランダム性に影響し、イオン導電性等に興味深い特性が現れることが期待できる。 焼成原料作成のため、インキュベータ-、蒸留水製造装置、並びに酸素分圧の調整が可能な電気炉を使用した。また、大型単結晶により分光するインシデントモノクロメーターを設置した粉末X線装置を本学超強力X線回折実験室において製作し、Kα_1線単独による精度の高い回折図形を測定し、精密なリ-トベルト解析を可能とした。
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