1995 Fiscal Year Annual Research Report
アモルファス錯体法により合成した希土類う酸化物微粉末の焼結プロセスと焼結体の物性
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07230259
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 宏 大阪大学, 工学部, 教授 (80029206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝山 茂 大阪大学, 工学部, 助手 (00224478)
真島 一彦 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029270)
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Keywords | 錯体重合法 / 酸化物超伝導体 / 臨界電流密度 / 磁束線ピン止め力 |
Research Abstract |
酸化物超伝導体YBa_2Cu_3O_yの輸送臨界電流密度J_oや磁束線ピン止めF_pの上昇にはAgの添加が有効であることが知られている。この理由はAgが試料中の空孔を埋めるように分布し、Weak Linkの問題が改善される、さらに試料の粒子配向性および焼結度がよくなるためであると考えられている。しかしながら、各元素の酸化物あるいは炭酸塩の空気中における固相反応により合成するという通常の固相法では、焼結中にAgが均一に分散せず、凝集してしまう傾向があった。アモルファス錯体法の一方法である錯体重合法は、目標とするセラミックスと同じ元素組成を持つ複合高分子錯体を前駆体として出発し、その後の熱処理によって所望の組成を持ったセラミックスを合成するというもので、不純物の混入なしに構成元素が均一に混合された物質を合成できるという特長を持っている。YBa_2Cu_3OyとAgのコンポジット超伝導体を、クエン酸金属錯体とエチレングリコールの高分子エステルを出発とする錯体重合法により作製を試みた。合成上の問題点は、バインダーである有機高分子を熱処理により分解蒸発させる時、この温度が低いと分解蒸発がうまく進まない一方、高すぎるとYBa_2Cu_3Oyが分解と起こし、またAgの凝集が起こることである。そこで、熱処理温度をいろいろ変えて試料を合成し、X線回折、SEM観察等により試料の評価を行った結果、940℃における熱処理が最も好ましいことがわかった。得られた微粉末を用いて焼結体を作製し、磁化ヒステリシス曲線測定による磁束線ピン止め力F_pの評価を行ったところ、通常のセラミックス法による試料よりも高いFpを示した。
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Research Products
(1 results)