1995 Fiscal Year Annual Research Report
希土類キレートを標識剤とする生体成分および薬物のイムノアッセイに関する研究
Project/Area Number |
07230290
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
千熊 正彦 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (50025699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小南 悟郎 塩野義製薬, 新薬研究所, 主席研究費
佐藤 卓史 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (80257899)
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Keywords | 希土類錯体 / 時間分解蛍光イムノアッセイ / 二官能性キレート試薬 / イムノアッセイ / インターフェロン / 気管支肺胞洗浄液 |
Research Abstract |
最近、ある種の希土類金属錯体が発する遅延性蛍光をイムノアッセイに応用した時間分解蛍光免疫測定法が開発され、注目されている。本測定法では生体試料中に含まれる來雑物による蛍光を除去できるため、一般の蛍光イムノアッセイに比べて、高感度化が可能で、放射免疫測定法に匹敵する感度が期待できる。一般にイムノアッセイの高感度化に寄与する因子としては抗体の種類、標識物の安定性が挙げられる。時間分解蛍光免疫測定法においてもEu(III)の標識をいかに簡便にかつ安定に行うかが、感度と使いやすさを支配する重要なポイントである。これらを考慮して以下の検討を行った。 (1)数種の二官能性キレート試薬を合成し、Eu(III)とのキレートが生理的pH域において安定であることを確認し、さらに標識条件の最適化を図った。 (2)最適化した条件でヒト気管支肺胞洗浄液(BALF)および血漿中の生体成分および薬物、例えば、インターフェロン-γ(IFN-γ)、アンジオテンシン,イムノグロブリンA(IgA)などのイムノアッセイ系を確立した。とくに、IFN-γについては血漿中の極めて低濃度のIFN-γを測定するために、抗IFN-γ抗体をビオチン標識し、ストレプトアビジンをEu(III)標識した後、時間分解蛍光イムノアッセイ系を確立した。この測定系により血漿中の40pg/mlのIFN-γを定量することができた。 ビオチン-アビジン系による測定法は、抗体をEu(III)標識する必要がないため、測定対象物質のビオチン化抗体を適切に選択すれば、複数のアッセイ系において同一のEu(III)標識ストレプトアビジンを使用することができる。本法はBALFや血漿中の種々の生体成分および薬物の測定が可能であり、従来得ることのできなかった基礎的データが得られるため、種々の難病の病態解析や薬物の投与設計に有用であると期待される。
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Research Products
(2 results)