1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07231230
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
松浦 輝男 龍谷大学, 理工学部, 教授 (90025809)
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Keywords | 二分子結晶 / 分子化合物 / 固相光反応 / X線結晶解析 / 絶対不斉合成 / 光脱炭酸反応 / キラル結晶化 / 不斉導入 |
Research Abstract |
1。異種有機分子間の分子化合物結晶の光反応と光不斉導入の展開:1-と2-ナフチル及び3-インドール酢酸と1,2,4,5-テトラシアノベンゼン(TCNB)との結晶性CT錯体を合成し、これらの固相光反応により対応するメチル芳香族化合物とアリール(2,4,5-トリシアノ)メタンを好収率で得た。また、これらの二分子結晶のX線構造解析を行った(大橋裕二教授研究室との共同研究)。さらに、ジフェニル酢酸とアクリジンから生成するキラルな二分子結晶を光照射して光学活性な生成物を得ること、即ち絶対不斉合成に成功した。 2。異種有機分子間の分子化合物の単結晶化と構造解析:各種芳香族カルボン酸とアザ芳香環化合物とから、10種以上の二分子結晶を合成し、それらのうち上記のキラルな二分子結晶のほかに、ジフェニル酢酸-フェナントリジン、トリフェニル酢酸-アクリジン、3-(3-インドール)酢酸-フェナントリジン等もキラルな二分子結晶を生成することが明らかになった。 分子化合物結晶における分子配列と化学反応性:上記1。の二分子結晶及びキラルな二分子結晶の結晶構造と光反応性の関連性を明らかにした。また、4-(2,4,6-トリイソプロピルベンゾイル)安息香酸とL-プロリノールの塩結晶の光照射で不斉な光閉環生成物を生ずる反応が、単結晶-単結晶光反応で進んでいることが分かり、この際起こる不斉導入率をX線結晶解析の結果からほぼ定量的に説明出来た(広津建教授研究室との共同研究)。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H. Koshima, et al: "Photocondensation in Polycrystalline Mixtures of Arylacetic Acids and 1,2,4,5-Tetracyanobenzene." J. Photochem. Photobiol., A: Chemistry. 87. 219-223 (1995)
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[Publications] 小島秀子、松浦輝男: "二分子結晶の光化学" 光化学(光化学協会誌). 19. 10-19 (1995)
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[Publications] H. Koshima, et al: "Solid-State Photodecarboxylation Induced by Exciting the CT Bands of the Complexes of Arylacetic Acids and 1,2,4,5-Tetra-" J. Org. Chem.61(in the press). (1996)