1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07233214
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
太田 幸則 千葉大学, 理学部, 助教授 (70168954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 禎通 名古屋大学, 工学部, 教授 (60005973)
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Keywords | 強相関電子系 / 数値的厳密対角化法 / 周期アンダーソン模型 / t-J模型 / 重い電子系 / 金属絶縁体転移 / 銅酸化物超伝導 / ハルデンスピン系 |
Research Abstract |
強相関電子系の物理学に於いては信頼できる解析的手法が確立しておらず、大型計算機を用いた数値的手法が極めて有効な手段となっている。このことを背景に我々は、有限系の数値的厳密対角化法を用いて、周期アンダーソン模型、不純物を含むt-J模型、フトン結合のある一次元強相関電子模型などの、基底状態及び低エネルギー励起スペクトルの計算を行い、以下のような研究成果を得た。(i)一次元周期アンダーソン模型におけるいわゆる重いバンドの起源について研究し、その形成に∫電子系のスピン励起が本質的役割を果たす事を明らかにした。そしてその記述方法を提案した。またこの系の強磁場効果を考察し、この系の磁場誘起絶縁体金属転移の問題に対し新たな視点を提供した。さらにこの結果の実験事項との比較を行った。(ii)幾つかの種類の不純物の存在を考慮した二次元t-J模型の電子状態を計算し、銅酸化物におけるCuO_2面内に導入されたZnイオンあるいはNiイオン不純物の問題を、特にその超伝導との関係において考察した。(iii)強相関電子系がフント結合でスピン系と結合している系の電子状態を研究した。特にY_2BaNiO_5に代表されるスピン1ハルデン系へのホール・ド-ピングによる電子状態の変化を理解する目的で、まず低エネルギー状態を記述するハミルトニアンを摂動論に基づいて導出した。さらにそれに対する数値的研究から、高いスピンを持つスピン・ポーラロンがこの系の低エネルギー励起を支配していることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S. Maekawa et al.: "Excitation Spectra in Periadic Anderson and Kondo Lattices" Physica B. 206-207. 147-150 (1995)
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[Publications] Y. Ohta et al.: "Excitation Spectra of the Negative-U Hubbavd Matel: AS mall-Cluster Study" Physical Review B. 52. 15617-15620 (1995)
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[Publications] K. Tsutsui et al.: "Heavy Quasi patides in the Anderson Lattice Moclel" Physical Review Letters. 76. 279-283 (1996)
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[Publications] Y. Ohta et al.: "Impurity Effect in the 2D t-J Moclel" Physica C. (未定). (1996)
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[Publications] K. Tsutsui et al.: "Low Energy Excitations of the Anclerson Lattice Model" Physica C. (未定). (1996)
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[Publications] W. Koshibae et al.: "Dynamics of a Hole in Spin 1 Chain" Physica C. (未定). (1996)