1995 Fiscal Year Annual Research Report
燃料電池型反応器を用いた酸素改質反応による電気-化学-熱エネルギーの同時生産
Project/Area Number |
07235221
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
石原 達己 大分大学, 工学部, 助教授 (80184555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝田 祐作 大分大学, 工学部, 教授 (30038054)
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Keywords | 燃料電池型反応器 / メタン / 酸化的改質 / エネルギー収支 / エクセルギー効率 / 温度依存性 |
Research Abstract |
本研究ではカルノ-効率の影響を受けない等温での高効率なエネルギー交換方法である燃料電池を反応器として用いCH_4の酸素改質反応を進行させることで、電気とメタノール合成に使用できる合成ガスおよび熱エネルギーを得ることを目的としている。本年度は本システムでのエネルギー収支を求め、エクセルギー効率の検討を行った。CH_4の酸素改質反応はギブス自由エネルギー変化が反応エンタルピー変化より約10倍大きいので、外部より熱を吸熱し、これを電気に変換することができる。実際に、CH_4のみを燃料に酸素を酸化剤として送入した時には、反応熱より大きな電気エネルギーが得られることがわかった。熱エネルギーのエクセルギー効率は小さく、電気エネルギーは1なので、熱エネルギーを電気エネルギーに変換できる本システムではエネルギーは保存されるが、エクセルギーは増加(再生産)できることが期待された。実際に現在のシステムで、組み込まれた熱あたりのエクセルギー効率を計算すると、1.67と本システムでエクセルギーが再生産できていることがわかった。また、このような再生産の効果は低温で、本プロセスを運転できるほど大きくなること、および内部抵抗をさらに少なくすればさらに大きな再生産効果が得られることがわかった。そこで、低温での作動を目的に作動温度の影響についても検討した。温度が低下するとCH_4の酸素改質反応は進行しにくくなり、CH_4の完全酸化反応が進行しやすくなることがわかった。このため、開回路状態の電池起電力も温度の低下とともに低下するが、800℃においても出力は140mW/cm^2と比較的高い値を示した。一方、電池の内部抵抗について検討したところ、現在の電池の電圧降下は主に接触抵抗などの電気的な抵抗損であった。しかも、現在の電気的な抵抗は電解質の電気的な抵抗よりかなり大きく、ほとんどは接触抵抗などの電気的な抵抗であった。そこで、電池の作成条件をさらに検討することで、このような電気的な抵抗は削減できるので、電池出力の向上が可能であることが示唆された。 以上より燃料電池を用いてメタンの酸素改質反応を進行させる本プロセスはエクセルギー再生産という観点から効果的な新規プロセスであることが示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tatsumi Ishihara et al.: "Oxidative reforming of methane using solid oxide fuel cell with LaGaO_3-based electrolyte" Solid State Ionics,. 79. 371-375 (1995)
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[Publications] T.Ishihara et al.: "Application of dry methane for a fuel of Internally reformed Solid Oxide Fuel Cell" Proc.2nd Intern. Sold Oxide Fuel Cell. 303-306 (1996)
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[Publications] T. Ishihara et al.: "Partial oxidation of methane for internally reformed solid oxide fuel cell" Proc.Inter. Conf.Solid State Ionics. 558-558 (1995)