1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07235222
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
菱田 公一 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (40156592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 昌信 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (90051466)
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Keywords | 蒸発促進 / 二相流 / 相変化 / メタノール改質 / 噴霧流 / 壁面衝突 |
Research Abstract |
次世代のエネルギーシステムにおいて,水素を最終燃料とする事によるエネルギー損失の低減,およびCO2フリー燃焼を実現化する上で,高効率の水素製造技術の確立が必要となる.低質な熱エネルギ源からのエクセルギ再生産を実現するために,比較的定温下で反応が生じるメタノール-水蒸気改質反応を,200〜400℃程度の中低温廃熱をもちいて行うことを目的とし,メタノールの蒸発過程から改質過程までを連続的に行う反応装置を新たに提案した.具体的には,微噴霧ノズルから発生される数十μmのメタノール・水混合液滴を含む気液二相流を多段のヒ-タ群を配した流路内に流動させることにより,熱的損失を低減し,低温熱源のみを用いて液相の蒸発及び気相との混合促進を実現する.昨年度の結果より伝熱面近傍の流動の基本的な特性が明らかとなった.その結果を踏まえて本年度は連続的に噴霧が蒸発しうる効果的な流路の開発を目的とし,垂直上昇流路のおける噴霧挙動の把握と蒸発効率の向上を行った.その結果,噴霧液滴の蒸発により生じた気流を環流させることにより,液滴の慣性が増え,蒸発効率も5〜15%増加することが明らかになった.また,加熱板上に多孔質板を設置することにより,効率よく液滴を捕集することが可能となり,蒸発効率も10〜20%向上した.この結果,加熱板温度がライデンフロスト温度を超えても,多孔質板上では固液接触が可能となり,蒸発効率を維持しかつ過熱蒸気を同時に生成することが可能であることが示唆された.また,第一段の加熱板出口の流動情況が明らかとなり,前年度の数値計算により明らかにされたヒ-タ群の配置を決定するための基礎的資料を収集することができた.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 田久保善彦、荒井清志、菊山雅弘、菱田公一、前田昌信: "噴霧液滴の慣性を利用した蒸発促進" 第32回日本伝熱シンポジウム講演論文集. Vol. 1. 165-166 (1995)
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[Publications] Koichi Hishida: "Enhancement Mechanism in Convective Heat Transfer by an Effective Utilization of Droplet Inertia" Thermal Science & Engineering. Vol. 4, No. 1. 49-57 (1996)