1996 Fiscal Year Annual Research Report
複雑液体の物理-A04個別運動と集団運動のダイナミクス-
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07236105
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
米沢 富美子 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10027344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村山 和郎 日本大学, 文理学部, 助教授 (70107697)
長谷川 正之 岩手大学, 工学部, 教授 (00052845)
田中 文彦 東京農工大学, 工学部, 教授 (50107695)
小田垣 孝 九州大学, 理学部, 教授 (90214147)
大峰 巌 名古屋大学, 理学部, 教授 (60146719)
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Keywords | 集団運動 / ダイナミックスの階層構造 / 水素結合編日構造 / 高分子共重合体 / ジャンプ運動 / ゲル / ゾル転移 / 密度汎関数理論 / マイクロクラスター |
Research Abstract |
[1]高密度液体の構造緩和の'一体モデル'をたて、フラクタル空間上とフラクタル時間のランダムウオ-クについて、待時間分布との対応を調べた。また、等温等圧モンテカルロ法で濡れ転移を調べ、それに伴うドメイン形成等を観測した。 [2]水中のプロトン移動のダイナミックスの解析を行い、プロトン移動の機構とそれに伴うエネルギー緩和過程のダイナミックスを明らかにした。 [3]3成分溶媒に3種の界面活性剤を加えた系をモンテカルロシミュレーションにより研究し、マクロ相分離とミクロ相分離の混在した多彩な相分離を得た。 [4]ガラス化過程における動物性質の変化を、分子動力学シミュレーションおよび理論的計算によって研究し、ガラス転移の微視的な機構に対する知見を得た。 [5]第一原理分子動力学法のプログラム開発を行い、擬ポテンシャルの妥当性を重い元素に対して検討した。 [6]高分子の結晶化過程における様々な階層での構造形成を調べ、結晶化の極く初期段階で高分子の自由体積が大きく変化することや、ラメラ晶から球晶への発展過程でのパターン形成を観察し拡散過程の重要性を明らかにした。 [7]会合高分子のゲル化と相分離に関する基礎的研究を行い、架橋領域の多重度と運動性という新しいコンセプトをもとにして、水溶性可逆ゲルの実験データを解明した。 [8]新たに展開された固化の密度汎関数理論を用いて、フラーレンの典型であるC_<60>の相転移を調べ、C_<60>の安定な液相が存在するか否かの境界にある物質であることを理論的に確かめた。 [9]構造の乱れによりフラクタル的に揺らいだバンド端をガラス半導体の電子輸送を計算機シミュレーションによって研究し、ガラス半導体の分散型電子輸送はフラクタル的に揺らいだバンド端を電子がホッピングによって移動することを明らかにした。
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[Publications] S.Fujiwara and F.Yonezawa: "Anomalous relaxation in fractal and disordered systems" J.Non-Cryst.Solids. 198-200. 507-511 (1996)
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[Publications] Shinji Sato and Iwao Ohmine: "Third order nonlinear response of liquid water" J.Chem.Phys. 107. (1997)
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[Publications] T.Odagaki,J.Matsui and Y.Hinatari: "On the glass transition singularities and slow dynamics" Phisca A. 224. 74-83 (1996)
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[Publications] Y.Ishii,N.Watari and S.Ohnishi: "Electronic Structures of Heavy Metal Clusters" Surf.Rev.Lett.3 (No.1). 335-340 (1996)
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[Publications] F.Tanaka and K.Nishinari: "Junction Multiplicity in Thermoreversible Gelation" Macromdecules. 29 (No.10). 3625-3628 (1996)
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[Publications] N.Hasegawa and K.Ohno: "Does Rigid C_<60> Have a Liquid Phase ? -Density Functional Theory-" Science Report RITU A (Tohoku Univ.). 41 (No.2). 103-106 (1996)